016 起業するときって登記って必要なの?

2018年2月13日

個人事業主として起業したり、法人として株式会社や、合同会社などを起業する場合は、登記って必要なのでしょうか?

1.そもそも登記って何?

まず、聞き慣れない言葉だと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんので、登記すると言う事について、少し解説しておきましょう。

登記と言うのは、簡単に表現すると、「登録して記す事」だと思って頂ければと思います。

わかりやすい例で言うと、あなたが家を購入するとします。

その家と言うのは、土地や建物が対象となるわけですが、ただ単純に売主から家を購入し、その対価をしてお金を払う、又は銀行等でローンを組むと言うだけでは、表面的には、契約のやり取りで、あなたの家となりますね。

しかし、そこには、あなたの家であると言う証明をしなければなりません。

そうしなければ、例え契約書があったとしても、全く知らない見ず知らずの人に、自分が購入した家の事を「これは私の家だ!」と主張されても、証明が出来ない為、対抗する事が難しくなります。

そこで、法務局により、その家が自分の物である!と登記する事によって、外部にも証明する事ができるのです。

これと同様に、会社を起業する場合についても、「この会社は私の物です」と登録する場合があります。

この事を、起業の際の登記だとイメージして頂ければ良いでしょう。

2. 登記の必要性は、会社の形態によって分かれる

起業するからと言って、全ての形態に登記が必要とされるわけではありませんので、それぞれで解説していきます。

2-1.個人事業主の場合

実は、個人事業主として起業する場合には、上記にある登記は必要とされておりません。

しかし、ここで勘違いしがちなのが、登記は必要ないのですが、商号登記と言う制度があります。

例えば、個人事業主でお店を構える場合、個人名ではなく屋号を付けられる方もいます。

この屋号は、必ず付けなければならないものではなく、開業の届を出す書類の欄に、屋号の記入箇所はあるものの、記入せず空欄で出しても構いませんし、途中で屋号を付けても確定申告する際に屋号とした名を記入すれば変更は簡単です。

ただ、将来的に法人化を考えている場合には、事前に屋号を商号登録していると、後々役に立つケースもあります。

屋号と言うのは、簡単に付けられますが、商標登録のような拘束力はありません。

ですから、後に法人化を考えている場合には、商号登記をしていると、他の会社等と同じになる事がなく、法人化をする時に問題が起きる可能性が低くなります。

せっかく付けた屋号を、別の会社も名乗っているとなると、法人化する際には変更を考えなければならない為、商号登記をすると言う手もあると言う事なのです。

2-2.株式会社や合同会社の場合

法人形態となる、株式会社や合同会社の場合においては、起業する際に、必ず登記をする事が必要となります。

必要な書類と合わせて法務局に届け出を行い、承認されれば、無事に起業する事が可能です。

ちなみに、許可が降りる日が設立した日ではなく、届を事前に出した日が、最終的に日付を遡って、起業した日と言う事になります。