056 法人成りの目安(個人事業主)

2023年5月10日

「事業が軌道に乗ってきたので、法人成りの目安を検索したけどバラバラだ!」そんな経験はありませんか?その理由は、社員の有無やお金を引き出す手段、費用・収益の範囲が異なるためと思われます。
このシリーズでは、「一人法人から給料として引き出すケースで、なるべく含めて」考えていきます。なお、所得は税金や社会保険料を計算する上での利益で、売上ではありません。

⒈税金

個人事業主の負担する税金には、所得税と復興特別所得税、個人住民税、個人事業税があります。

⑴所得税など

所得税は課税総所得金額(=事業所得の金額など-所得控除額)に応じて5%~45%、復興特別所得税は所得税×2.1%、個人住民税は課税総所得金額×10%です。ここでの事業所得の金額(=総収入金額-必要経費)には青色申告特別控除(最大65万円)の適用があります。
まとめると所得税などの合計は下記の速算表で求めた税額となります。
・所得税などの速算表(筆者作成)
課税総所得金額 税率 控除額
195万円未満 15.105% 0円
195万円以上330万円未満 20.21% 99,547.5円
330万円以上695万円未満 30.42% 436,477.5円
695万円以上900万円未満 33.483% 649,356円
900万円以上1800万円未満 43.693% 1,568,256円
1800万円以上4000万円未満 50.84% 2,854,716円
4000万円以上 55.945% 4,896,716円

⑵個人事業税

個人事業税は(事業所得の金額-290万円)×5%です。ここでの事業所得の金額には青色申告特別控除の適用がありません。

⒉社会保険料

個人事業主の負担する社会保険料には、国民年金保険料と国民健康保険料があります。

⑴国民年金保険料

国民年金保険料は20歳以上60歳未満の家族一人につき198,240円です。

⑵国民健康保険料

国民健康保険料のうち医療分は算定基礎額(=事業所得の金額など-43万円)×8.47%+50,736円、支援分は算定基礎額×2.77%+16,069円、介護分(40歳以上65歳未満)は算定基礎額×2.39%+17,508円です。ここでの事業所得の金額には青色申告特別控除の適用があります。
上記の金額はそれぞれ家族一人につき算定しますが、家族全体で判定する上限額があり、医療分65万円、支援分22万円、介護分17万円、合計87万円(40歳以上65歳未満は104万円)です。