057 法人成りの目安(法人)

2023年5月11日

⒈税金

法人の負担する税金には、法人税と地方法人税、法人住民税、法人事業税、特別法人事業税があります。

⑴会社分(法人税など)

法人税は所得金額(=益金の額-損金の額)に応じて15%・23.2%、地方法人税は法人税×10.3%、法人住民税は法人税×7%+70,000円、法人事業税は所得金額に応じて3.5%~7%、特別法人事業税は法人事業税×37%です。
まとめると法人税などの合計は下記の速算表で求めた税額+70,000円となります。
・法人税などの速算表(筆者作成)
所得金額 税率 控除額
400万円以下 22.39% 0円
400万円超800万円以下 24.856% 98,640円
800万円超 36.8036% 1,054,448円

⑵社長分(所得税など)

所得税などは基本的に個人事業主と同じですが、事業所得の金額を給与所得の金額(=収入金額-給与所得控除額)に読み替えます。給与所得控除額は原則として55万円(収入金額162.5万円以下)~195万円(収入金額850万円超)です。

⒉社会保険料

法人の負担する社会保険料には、厚生年金保険料と子ども・子育て拠出金(正しくは税金)、健康保険料があります。

⑴厚生年金保険料など

厚生年金保険料は標準報酬月額×18.3%で会社と社長が半額ずつ負担しますが、子ども・子育て拠出金は標準報酬月額×0.36%で会社だけが全額負担します。標準報酬月額とは、例えば報酬月額21万円以上23万円未満は、すべて22万円とみなすことをいいます。ここでの標準報酬月額は8.8万円(報酬月額9.3万円未満)~65万円(報酬月額63.5万円以上)です。

⑵健康保険料

健康保険料のうち一般保険料は標準報酬月額×10%、介護保険料(40歳以上65歳未満)は標準報酬月額×1.82%で会社と社長が半額ずつ負担します。ここでの標準報酬月額は5.8万円(報酬月額6.3万円未満)~139万円(報酬月額135.5万円以上)です。

⑶まとめ

報酬月額8.3万円以上66.5万円未満という前提条件はありますが、会社分は標準報酬月額×14.51%(40歳以上65歳未満は15.42%)、社長分は標準報酬月額×14.15%(40歳以上65歳未満は15.06%)となります。

⒊その他の費用

法人の支出するその他の費用には、会社設立費用と税理士報酬などがあります。

⑴会社設立費用

会社設立費用(合同会社)は約11万円(=設立登記費用6万円+定款作成費用4万円+印鑑作成費用など約1万円)です。ここでは5年間で費用計上するものとして、110,000÷5年=22,000円となります。

⑵税理士報酬など

個人事業主から法人になると税理士報酬や会計ソフトの費用が増加します。経理・申告方法の変化などにより幅はありますが、ここでは6万円とします。