085 個人事業税とは

2023年6月11日

個人事業主は1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課される所得税のほかに、住民税、消費税、個人事業税が挙げられます。
この個人事業税は事業内容によって納める必要があり、個人事業税を納める必要がある業種は限定されています。
今回は個人事業税について解説していきたいと思います。

◆個人事業税とは

個人事業税とは、住民税などと同じように地方税に該当する税金になります。
課税主体は東京都などの都道府県税事務所になるため、都道府県民税に該当します。
個人事業税を納める必要のある人は、地方税法で定められた70の業種に該当した事業を営む個人の人になります。
個人事業税を納める必要がある理由は、個人事業主は収益を獲得するために、市区町村役場などにおける手続きのサポート、公道や公共施設の利用など、さまざまな行政サービスを受けております。
これらのサービスを受けるための利用料というものが、個人事業税となります。

◆個人事業税の納付期限と納付方法について

個人事業税の納付期限は、一般的に8月と11月の年2回になります。
ただし、所得税の修正申告をした場合や事業を廃止した場合等のように、特別な事象が生じた際には、上記とは別に納税通知書に記載する納期限までに納めることになります。

納付方法については、以下の方法により納付することができます。
・最寄りの金融機関や所轄の都道府県税事務所の窓口やコンビニなどで納付する方法。
・クレジットカードを利用して納付する方法。
・口座振替により納付する方法。
・地方税共通納税システムであるeltaxを利用して納付する方法。
・スマートフォン決済を利用して納付する方法。

◆個人事業税の課税方式について

所得税の場合、収入から経費を差し引いた所得に対して課税される申告納税方式が採用されております。
申告納税方式とは、自分で所得を計算してその計算結果に基づいて確定申告を行う方法を言います。
一方で、個人事業税は賦課課税方式が採用されております。
賦課課税方式とは、税務署や都道府県税事務所が税額を計算・決定し、納税者に対して納めるべき税額を通知する方法を言います。
ただし、個人事業税の場合には所得税の確定申告を行っている場合には賦課課税方式となりますが、この確定申告を行っていない場合には別途で申告手続きが必要になってきますので、確定申告を行っていない人は原則として翌年3月15日までに「個人事業税申告書」を都道府県税事務所へ提出する必要があります。

◆個人事業税がかからない事業主控除

個人事業税がかからないケースは上述したように、70の業種以外の事業を行っている場合には個人事業税がかかりません。
しかし、70の業種に該当していても、原則として290万円以下の所得に収まる個人事業主の場合には事業主控除が適用され、個人事業税はかかりません。
事業主控除とは、290万円となっています。
よって、課税所得が290万円以下の場合には個人事業税がかかりません。
ただし、事業を行っている期間が1年未満である場合には月割計算をして算出された金額が事業主控除となります。
例えば、事業を開始した月が8月1日からである場合の事業主控除額は290万円×5カ月÷12カ月の120万9千円が事業主控除となります。
また、事業主控除後の課税所得が120万9千円であっても繰越損失や譲渡損失が120万9千円以上ある場合には、個人事業税はかかりません。

◆個人事業税の減免制度

個人事業税は都道府県にもよりますが、条件を満たした場合には減免制度が適用されます。
個人事業税の減免制度の代表的なものは以下の通りです。
・納税者本人やその扶養親族が障害者である場合の減免制度
・災害などにより資産に損害が生じた場合の減免制度
・生活保護を受けている場合の減免制度など
これらの減免制度の適用を受けるには都道府県ごとに異なりますが、東京都の場合には「個人事業税減免申請書」を都道府県税事務所へ提出することによって、減免制度の適用を受けることが可能となります。

◆個人事業税の会計処理

個人事業税は、事業を継続していくために必要な支出になります。
よって、事業に関連した経費であるため、会計処理を行う上では「租税公課」として支払った日に経費として計上することができます。

◆結論

今回は個人事業税について解説してきました。
上述したように個人事業税は年2回納付する必要があるため、納付漏れや納期限に遅れることのないように納付する必要があります。
基本的に確定申告を期限内にしていれば、賦課課税方式であるため都道府県税事務所から納税額が記載された納付書が手元に届くので、最寄りの金融機関や都道府県税事務所の窓口で納付すれば問題ありません。
しかし、何らかの理由で所得税の確定申告を行っていない人の場合には、個人事業税を自分で計算して申告する必要があるため、申告漏れがないように注意が必要です。
現在の日本はフリーランスなどの個人事業主が非常に増加してきているので、今後、個人事業主として活躍していこうと考えている人は所得税の確定申告だけでなく、個人事業税についても理解を深めておく必要があります。