092 確定申告にはいくつか種類がある?その内容とは

2023年6月19日

確定申告書という用語は誰もが耳にしたことはあると思います。その確定申告書には、納税者の現状に合わせて3つの種類があります。「確定所得申告」「還付等を受けるための申告」「確定損失申告」の3つとなります。では、それぞれどのような特徴があるのか、本記事では、確定申告書の種類について記載をしていきます。

●確定所得申告

確定申告書の種類の中で、「確定所得申告」とは、そのとおり、所得を確定させ、納税する金額を申告するものです。

・確定所得申告の概要
その年の所得税額が、年末調整や源泉徴収されても、なお納めるべき所得税額がある場合は、確定申告書を提出しなければなりません。提出期限は翌年の2月16日から3月15日の間となります。なお、給与以外の年間所得が20万円以下の場合等、一定の要件を満たす場合は、この限りではありません。

・死亡や出国をした場合
確定所得申告書の提出義務者の中には、「年の中途や提出期間中に死亡してしまった(以下、死亡した場合)」「年の途中で海外赴任が決まり、国外へ出国し、住所も移した(以下、出国の場合)」というケースもあります。その場合、提出期限が一般の場合とは異なります。「死亡した場合」は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内、「出国の場合」は、出国をするときまでに確定申告書を提出しなければなりません。ただし、出国の場合で、納税管理人の届け出をした場合は、一般の場合と同じ、提出期限は2月16日から3月15日の期間となります。

●還付等を受けるための申告

所得の計算を行った結果、源泉徴収等により、納めるべき税金よりも多く納めすぎていた場合、申告をすることにより、所得税の還付を受けることができます。

・還付等を受けるための申告の概要
個人事業で報酬を得る場合、源泉徴収金額(10.21%または20.42%)を差し引かれて、報酬が振り込まれることがあります。しかしながら、事業の所得が赤字や計算した税率が10.21%よりも少ない等の場合、申告を行うことで、あらかじめ差し引かれた源泉徴収金額の還付を受けることができます。

・還付等を受けるための申告の提出について
還付等を受けるための申告は、任意であって義務ではありません。「還付を受けることができる」(所得税法第122条)とあるように、「受けなければならない」という条文ではありません。
これは、提出をしなくても、徴収すべき税金は徴収されているためです。
また、確定所得申告は2月16日から3月15日という提出期限が定められていますが、還付等を受けるための申告は、還付等を受ける年の1月1日から5年間という長期間となっています。

●確定損失申告

確定損失申告とは、還付等を受けるための申告とは少し異なります。事業所得等で損失が出て、翌年にその損失の繰越をしたいときに提出をします。

・確定損失申告の概要
確定損失申告を提出する目的は、純損失(事業の損失)または雑損失(生活に必要な資産の損失等)が出ている場合に、その損失を翌年以降繰越すためです。これをやっておけば、翌年、所得が出た場合でも前年の損失と相殺ができるため、節税効果になります。

・確定損失申告の提出について
確定損失申告も任意であって義務ではありません。しかしながら、還付等を受けるための申告が5年間の猶予があるのに対し、確定損失申告は2月16日から3月15日の間が提出期限となります。

●まとめ

本記事では、確定申告書の種類について記載をしました。確定申告書は、3つの種類に分かれ、さらに「一般の場合」「死亡した場合」「出国の場合」に分かれます。還付等を受けるための申告や確定損失申告は提出をしないと損をする場合もありますので、注意をしましょう。