100 各自治体の住民税について

2023年6月27日

●住民税の税額・税率はどこの自治体でも同じ?自治体別の税について紹介

住民税の標準税額・税率は、均等割は5,000円、所得割は10%となります。
しかし、これらはあくまで「標準」税額・税率です。自治体の判断で、税率は変更を行うことができます。
では、「税額と税率が異なる自治体はどこか?」「その理由は何か?」「最も安いまたは高い住民税を課している自治体はどこか」などという疑問点があるかと思います。
本記事では、自治体別の住民税について解説をしていきます。なお、税額・税率は、令和5年現在のものとなります。

●自治体による税額・税率の違い

住民税の標準税額・税率は、あくまで「標準」であるため、地方自治体の条例により、変更をすることができます。いくつか自治体を紹介します。

・静岡県静岡市

静岡市は、静岡県の政令指定都市で、県庁所在地でもあります。
所得割に関しては、県民税市民税合計で10%と、標準税率どおりとなります。しかしながら、均等割りは県民税1,900円、市民税3,500円の合計5,400円となり、標準税額の5,000円を400円上回っています。
これは、静岡県では、「森林(もり)づくり県民税」として、静岡県の荒廃森林再生のため、400円県民税がプラスされているものとなります。
県民税ですので、静岡市以外の県内の市町村であれば、どこも同じとなります。

・愛知県名古屋市

愛知県名古屋市は、均等割は、県民税2,000円、市民税3,300円の合計5,300円と標準税額よりも300円高いですが、所得割は、県民税市民税合わせて、9.7%と標準税率よりも0.3%低い税率となっています。
名古屋市は減税政策を打ち出しており、それが住民税に反映されています。しかしながら、減税されているのは、市民税だけですので、愛知県の名古屋市以外の市町村に住んでいる場合は、減税を受けることはできません。
むしろ、県民税の均等割が、「あいち森と緑づくり税」という名目で標準税額よりも500円高くなっています。

・最も税額・税率が高い都市

住民税の税額・税率が最も高い都市は、神奈川県横浜市です。均等割は、県民税1,800円、市民税4,400円の合計6,200円と、標準税額よりも、1,200円高くなっています。
さらに、所得割も県民税市民税合わせて10.025%と標準税率よりわずかですが、高くなっています。
市民税は「横浜みどり税」県民税は「水源環境の保全・再生」という名目で標準よりも上乗せされています。

・最も税額・税率が低い都市

住民税の税額・税率が最も低い都市は、大阪府田尻町です。均等割は、県民税1,800円、市民税3,200円の合計5,000円、所得割は、県民税市民税合わせて9.4%と標準税率より0.6%安くなっています。
所得が500万円の方であれば、標準税率と比較すると、年間30,000円も税金が安くなることになります。もともとは、平成29年度から令和元年度までの3年間の政策でしたが、令和5年度まで延長されています。

●まとめ

本記事では、住民税の税額・税率について記載をいたしました。住民税の税額・税率は、標準税率が定められていますが、地方公共団体の事情によって、若干の差があります。自治体の住民税を理解したうえで、どこに住むかを決めるというのも、住居選びの材料のひとつになるかもしれません。