103 譲渡による所得とは

2023年6月30日

家や土地、その他の資産を売却したとき、売却益に対して、所得税がかかります。これらは、譲渡所得といいます。
では、譲渡所得について、「売却益はどう計算をするのか?」「どれくらい税金がかかるのか?」「確定申告をしないといけないのか?」という疑問点があると思います。
本記事では、譲渡所得の内容について、記載をいたします。

●譲渡所得の対象や計算方法

譲渡所得は、譲渡をして、売却益が出れば、非課税のものを除き対象になります。
しかし、何を譲渡したか、いつ譲渡をしたかで計算方法が変わります。
以下に詳細を記載します。

・基本的な計算方法

譲渡所得の基本的な計算方法は、譲渡価額 − 取得費用 − 譲渡費用です。
例えば、1000万円で購入した土地が3000万円で売れ、仲介手数料が100万円かかった場合、譲渡価額(3000万円)−取得費用(1000万円)−譲渡費用(100万円)となり、譲渡所得は1900万円となります。
取得費用は購入価額をベースとしますが、建物等、年の経過によって価値が下がるものは、減価償却後の金額となるため、注意が必要です。

・土地、建物を譲渡した場合

土地建物を譲渡した場合、売却益は、他の所得とは別計算になります。これは、一時的に大きな金額を所得として得た場合、他の所得と合算をしてしまうと、税負担が重くなってしまうためです。
例えば、土地による譲渡所得が1,900万円、事業による所得が100万円だったとします。これらを通算し、超過累進税率で計算をすると(所得控除や復興特別所得税は考慮しない)
所得税は、2,000万円×40% −2,796,000 = 約520万円となります。さらに、住民税10%かかるため、2,000万円×10%=200万円となります。
合計720万円となり、2,000万円の所得に対し、約36%の税となります。本業である事業所得で100万円しか、儲かっていないのに、税負担は重たくなってしまいます。
ですので、土地建物分は別計算をします。保有期間が5年以内であれば、住民税を合わせて39%の税率になります。保有期間が5年を超えていれば、住民税を合わせて20%の税率となります。
5年以内か5年超かで税率が大きく変わるので、こちらも注意点になります。

・土地建物以外(有価証券除く)を譲渡した場合

土地建物以外を譲渡した場合は、他の所得と通算します。しかし、譲渡所得は特別控除(50万円)があるため、50万円までの売却益は、実質所得は0円となります。
また、50万円超の所得があったとしても、保有期間が5年超であれば、所得を2分の1することができます。絵画や骨とう品等、購入したときよりも価値が大きく上がり、多額の儲けがでない限りは、譲渡所得は、課されないものとなります。

・確定申告が必要

譲渡所得は、確定申告が必要となります。また、譲渡所得には、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円控除等、様々な所得控除の特例があります。しかしながら、これらは、確定申告をしないと適用ができないものです。
譲渡所得が生じた場合、確定申告を忘れないようにしましょう。

●まとめ

本記事では、譲渡所得について記載をしました。土地や建物を譲渡した場合、多額の収入になる反面、それに対する税金もかかるので、譲渡をしたときにどれくらいの所得になり、どれくらい税金を納めなければならないということは把握をしておきましょう。
売却時に得たお金を使ってしまい、税金が払えなくなったということにならないように注意が必要です。