107 所得税や住民税の減税効果のある基礎控除とは?

2023年7月4日

所得税や住民税は、個人の課税所得に応じて納付すべき税額が算出されますが、税の負担の公平性の観点から、個人の事情を加味して課税所得から減算させることの出来る所得控除があります。所得控除のうち、最も多くの人が利用することの出来る控除が、基礎控除です。
今回は、基礎控除についてご紹介致します。

1基礎控除とは

基礎控除は、納税者本人の合計所得金額が2,500万円以下である場合に、所得税の課税所得及び住民税の課税所得から減算することが出来るものです。

所得税の課税されない収入の限度額のことを「年収103万円の壁」と呼ぶことがあります。なぜ103万円であるのかというと、年収103万円は給与所得48万円に相当し、基礎控除の金額48万円を差し引くと、課税所得が0円となるためです。

2基礎控除の額

基礎控除の金額は、所得税と住民税とでは異なります。
① 所得税における基礎控除
所得税の基礎控除の金額は、合計所得金額によって、下記のように定められています。
・納税者本人の合計所得金額が2,400万円以下…48万円
・納税者本人の合計所得金額が2,400万円超2,450万円以下…32万円
・納税者本人の合計所得金額が2,450万円超2,500万円以下…16万円
・納税者本人の合計所得金額が2,500万円超…0円
② 住民税における基礎控除
住民税の基礎控除の金額は、合計所得金額によって、下記のように定められています。
・納税者本人の合計所得金額が2,400万円以下…43万円
・納税者本人の合計所得金額が2,400万円超2,450万円以下…29万円
・納税者本人の合計所得金額が2,450万円超2,500万円以下…15万円
・納税者本人の合計所得金額が2,500万円超…0円

3住民税の基礎控除の金額が低い理由

所得税の基礎控除の金額と住民税の基礎控除の金額では差があり、住民税の方が低く定められています。基礎控除のみならず、生命保険料控除や地震保険料控除等、住民税の方が金額を低く定められている所得控除が複数あります。
これは、所得税は国に納める税金であることに対し、住民税は居住する自治体に納める税金であることに起因しています。住民税の税収はその居住する多くの住民のために利用されることから、基礎控除額等を所得税よりも少なくすることで、非課税となる人を少なくし、より多くの人が税負担の対象者となるように定められています。

4まとめ

基礎控除は合計所得金額が2,500万円以下の納税者全てに適用がされます。多くの人が適用することの出来る控除ですので、是非ご参考になさってください。