109 所得税や住民税の節税に役立つ医療費控除とは
2023年7月7日
所得税や住民税の納税額を減額する所得控除のひとつに、医療費控除があります。多くの人が利用することが出来る控除であることから、広く知れ渡っている所得控除ですが、いまいちど確認をしてみましょう。
1医療費控除とは
医療費控除とは、所得税や住民税の納税者自身、又は納税者自身と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合で、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費の額が一定の額を超えるときに適用することが出来る所得控除です。
生計を一にする親族とは、日常の生活資源を共にしている親族であり、同居する配偶者のみならず、生活費を送金している遠方で独り暮らしをする子ども等も含まれます。
2医療費控除に含めることの出来る医療費
医療費控除に含めることの出来る医療費は、治療や治癒に直接必要と認められる支出のことをいいます。
例えば、医師等に対する謝礼金、審美目的の整形手術費用、自家用車で通院する場合のガソリン代等は、医療費控除に含めることの出来る医療費から除外されます。
3医療費控除の対象となる金額
医療費控除の対象となる金額は200万円を上限とし、総所得金額に応じて下記の算式で計算をした金額です。
①総所得金額が200万円以上の場合
(実際に支払った医療費の合計額△保険金等で補填される金額)△10万円
②総所得金額が200万円未満の場合
(実際に支払った医療費の合計額△保険金等で補填される金額)△総所得金額の5%の金額
4医療費控除を適用する方法
医療費控除を適用するためには、所得税や住民税の納税者自身が確定申告を行う必要があります。
納税者が給与所得者の場合、基礎控除や社会保険料控除等の多くの所得控除は、年末調整を受けることで適用することが出来ますが、医療費控除は適用外であるため、給与所得者であっても、確定申告が必要となることに留意が必要です。
確定申告は、e-taxを利用した電子申告又は税務署への書面による申告のいずれかの方法で、原則として申告対象年の翌年3月15日までに行うものですが、確定申告をする事由が医療費控除による所得税の還付申告のみである場合には、申告対象年から5年間、還付申告を行うことが出来ます。
5まとめ
医療費控除に適用することの出来る医療費は、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費の額です。医療機関を受診した場合には、医療費控除の適用の可否の判定のため、少なくとも領収書等をその年の終わりまで保管することをおすすめ致します。
所得税や住民税の納め過ぎを防ぐ意識は、常にもっておきたいものです。