110 制度利用の判定基準となる、住民税の非課税世帯とは?

2023年7月8日

給付金の支給や国民保険料の軽減等、様々な社会制度の利用可否の基準となることが多いのが、住民税の非課税世帯への該当の有無です。
それでは、住民税の非課税世帯とは、どのような世帯のことをさすのでしょうか。今回は非課税世帯となる要件や収入の目安についてご紹介致します。

1住民税の非課税世帯に該当するための要件

住民税の非課税世帯とは、世帯の全員が、住民税の所得割及び均等割の両方が非課税となる世帯のことをいいます。

所得割及び均等割の両方が非課税となる人とは、自治体によって要件が異なる場合がありますが、東京都では、下記のいずれかに該当をする人をいいます。
・生活保護法によって生活扶助を受けている人
・障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下の人
・単身で前年中の合計所得金額が45万円以下の人
・同一生計者や扶養親族がいる人で前年中の合計所得金額が35万円×(同一生計配偶者等の数+1)+31万円以下の人

2合計所得金額と収入

合計所得金額とは、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、雑所得等の総合所得を合計した金額をいいます。収入の合計額とは異なります。

例えば、アルバイトのみで生計を維持している人の合計所得金額は、いわゆる額面金額である収入から、給与所得控除を差し引いたものである給与所得の額のことをいいます。

東京都において非課税世帯に該当するかの判定に必要な給与収入の目安は、下記のとおりです。
・障害者等に該当する場合…年間2,043,999円以下の給与収入
・単身者に該当する場合…年間100万円以下の給与収入
・扶養親族が1人いる場合…年間156万円以下の給与収入

3住民税の非課税世帯の割合

日本の住民税の非課税世帯の割合は、厚生労働省の行う国民生活基礎調査の結果から知ることが出来ます。
令和3年の国民生活基礎調査によると、日本全体の5,142万世帯のうち、住民税課税世帯が3,924万世帯であると公表がされています。つまり差引をした1,218万世帯が住民税の非課税世帯であり、世帯全体のうち、約23.6%の世帯が非課税世帯であることがわかります。

4まとめ

住民税の非課税世帯とは、単身者であれば年間100万円以下の給与、月8万円程度の給与を得ている人のことをいいます。
月8万円では生活が苦しいのでは無いかと懸念されますが、住民税の非課税世帯は、世帯全体の2割以上あります。言い換えれば、世帯全体の8割程度課税世帯が納付する住民税が、2割程度の非課税世帯の社会制度利用に投入されています。
住民税の非課税世帯について知ることで、ニュースの見え方も変わってくるのではないでしょうか。ご参考になさってください。