121 静岡県の住民税は高い?!森林づくり県民税とは

2023年7月19日

住民税は所得割と均等割からなり、均等割の通常の金額は、市町村民税3,500円と都道府県民税1,500円の計である5,000円です。
しかしながら、静岡県の県民税は1,900円であることから、均等割の金額は5,400円です。この400円の差額は森林づくり県民税という静岡県が独自で徴収している税金です。
今回は、この森林づくり県民税についてご紹介致します。

1森林づくり県民税とは

森林づくり県民税とは、荒廃した森林を再生し、山地災害の防止や水源のかん養等のための森の力再生事業を行う財源の確保のために、静岡県が定め独自で徴収している税金です。

静岡県は県土の2/3が森林であることから、森林の山崩れの防止や水を貯える機能の維持は、県民の生活を守るうえで、とても大切なことです。

森の力再生事業は平成18年から開始されており、平成28年からの10年間の計画においては、約11,200ヘクタールの荒廃森林を再生する予定となっています。

この課税期間は、平成18年度から令和7年度までの20年間であり、個人は年400円、法人は法人県民税均等割の税率に5%を上乗せとして、年1,000円から40,000円が課されます。
平成18年から令和2年度の15年間の税収の実績は、約145億円です。

2静岡県の住民税は高い?

通常5,000円である住民税の均等割と比較をすると、静岡県の住民税は5,400円と高いですが、その他にも独自の税金を徴収している都道府県があり、通常5,000円としながらも、約8割の都道府県が5,000円超の均等割を課しています。

2023年現在、最も高い住民税の均等割額は6,200円とされています。該当地域をご紹介致します。

①神奈川県横浜市
神奈川県横浜市の住民税均等割額は、市民税4,400円と県民税1,800円の合計6,200円です。
市民税には横浜みどり税900円、県民税には水源環境保全税300円が通常より加算されています。
②兵庫県神戸市
兵庫県神戸市の住民税均等割額は、市民税3,900円と県民税2,300円の合計6,200円です。
市民税には認知症神戸モデル400円、県民税には県民緑税800円が通常より加算されています。
③宮城県全域
宮城県全域の住民税均等割額は、市民税3,500円と県民税2,700円の合計6,200円です。
市民税は通常と変わりありませんが、県民税にみやぎ環境税1,200円が通常より加算されています。

このような自治体を含めると、静岡県の住民税は必ずしも全国的に高いものではなく、所得割を含めた支払うべき住民税額を同年収で比較すると、静岡県は全国平均より支払うべき住民税が低い自治体に該当をするといえます。

3まとめ

住民税の均等割には、自治体が独自で課すことの出来る税金が含まれています。総務省は通常の均等割の額を5,000円としていますが、多くの自治体はそれに加算をして徴収をしています。
静岡県も独自に森林づくり県民税を加算し徴収をしていますが、全国的にみると決して高いものではありません。
住民税は、このように自治体によって差があることが、非常に特徴的な税金です。ご参考になさってください。