157 法人と個人に課される税金の違いとは?

2023年9月3日

 

税金は、法人、個人ともに原則として、課されます。
税金のなかでも、代表的なものが法人税と所得税、住民税です。
名称が示すとおり、法人税は法人に課される税金で、所得税は個人に課される税金です。住民税は、地方税となるため、個人住民税、法人住民税という区分で課されます。
では、「法人と個人の税金の違いはなにか」「それぞれどういった特徴があるのか」こういった疑問点があるかと思います。
本記事では、法人と個人の税金について、記載をいたします。

●法人と個人の共通点、相違点とは?

 

法人も個人も「収入から経費(益金から損金)を差し引いて、所得を算出し、その所得に対して、税率をかける」という点は共通しています。
しかしながら、税率など相違点はいくつかあります。以下に詳細を記載いたします。

・法人の税率は一定値

法人の税率の特徴は、一定値ということです。標準税率は、23.2パーセントです。
ただし、課税所得が800万円以下で資本金が1億円以下の場合は、15パーセントになります。
ここに地方法人税等が加わるので、法人税の税率は、約26パーセントから34パーセントになります。

・個人の税率は、所得税の超過累進税率(変動率)と10パーセントの住民税(一定率)

一方、個人の所得税は、所得に比例して、税率が上がる仕組みです。いわゆる、超過累進税率となります。
5パーセントから45パーセントまでの税率があり、さらに、住民税の10パーセントが加算されます。
したがって、個人の税率は、15パーセントから55パーセントとなります。
所得によっては、法人の税率より個人の税率が高くなってしまうこともあります。
「所得が高くなれば、個人事業ではなく、法人成りをした方が、節税効果がある。」というのは、こういった個人の所得税の超過累進税率もひとつの要因となります。

・法人税特有の均等割

個人の場合、課税所得が0円以下であれば、税金は課されません。しかしながら、法人の場合は、課税所得が0であっても、マイナスであっても課される税金があります。
それが「地方法人税の均等割」です。
均等割とは、法人であれば、等しく課する税金で、利益の有無をといません。
資本金や従業員数の規模にもよりますが、東京都であれば、70,000円から3,800,000円となります。つまり、最低でも70,000円は課されることになります。
法人を維持するためには、最低でも年間70,000円は必要ということになります。

●まとめ

本記事では、法人の税金と個人の税金、その税率や特徴について、記載をしました。
法人の税金は一定の率ですが、均等割が必ずかかります。一方、個人は、所得税は超過累進税率となり、住民税と合わせると、最大55パーセントの税率になります。しかしながら、課税所得がなければ、納めるべき税金はありません。
法人と個人の税金について、改めて、特徴や税率などの理解を深めましょう。