127 インボイス制度とは?どういった影響がある?

2023年7月25日

令和5年10月1日から、インボイス制度が開始されます。インボイス制度という用語を聞いたことはあるかもしれませんが、「実際にどういったものなのかわからない」という人は多数いると思います。
本記事では、インボイス制度に「関連する税金」「制度の概要」「影響のある事業者」について記載をします。

●インボイス制度について

インボイス制度は、いったいどういったものなのか?以下に詳細を記載していきます。

・関連する税金

インボイス制度に関連する税金は「消費税」です。といっても、事業を営んでいない方は関連しません。消費税の納税義務者は、前々年の売上が1,000万円を超える「事業を営む」者です。
事業を営んでいない方にとっては、影響がありません。

・インボイス制度の概要

 

インボイス制度とは「インボイスという定められた形式の請求書がないと、消費税の控除ができない」というものです。
今までは、こういった取り決めはありませんでした。しかしながら、インボイス制度開始後は、消費税の控除のためには、インボイスが必要となります。
消費税とは、そもそも「売上に係る消費税(預かったもの)から仕入や経費に係る消費税(支払ったもの)」を控除して計算をします。
もし、「支払ったもの」が控除できない場合、税負担が増えてしまいます。したがって、インボイスを受領する必要があります。

・影響のある事業者

事業者の中でも、影響のある事業者と影響のない事業者に分かれます。影響のある事業者は、「課税事業者」です。課税事業者とは、先にも説明をしたとおり、前々年の売上が1,000万円を超える「事業を営む」者です。
つまり、前々年の売上が1,000万円以下であったり、そもそも前々年は開業前だったりする場合、消費税の納税義務がない「免税事業者」となります。「免税事業者」は、消費税の控除ということをする必要がないため、インボイス制度の影響はありません。また、免税事業者はインボイスを発行することもできません。
しかしながら、課税事業者が免税事業者と取引をした場合、免税事業者はインボイスを発行できないため、課税事業者は、免税事業者との取引は、消費税を控除することができません。したがって、課税事業者の税負担が増えてしまいます。
そういった意味では、免税事業者がインボイス制度にまったく関係がないかというとそうではないといえます。

・取引先別の影響度合

 

以下に「課税事業者」と「免税事業者」別の取引についてまとめました。

課税事業者と課税事業者の取引
→互いにインボイスを発行できるため、インボイスを受領すれば、税計算に影響はない

課税事業者と免税事業者の取引
→課税事業者は、インボイスを取得することができないため、税計算に影響あり、免税事業者は、影響はない

免税事業者と免税事業者の取引
→互いに免税事業者であるため、税計算に影響はない

●まとめ

本記事では、インボイス制度について記載をしました。インボイス制度が事業者にもたらす影響は多大であることが予測されます。本記事では記載しませんでしたが、2割特例や少額特例など、税負担や事務負担を軽減する措置も多数あります。今一度インボイス制度を理解し、導入開始前に準備をしておくことが重要です。