128 事業の収入とは?計上されるものと計上時期は?

2023年7月27日

事業所得、不動産所得、山林所得、雑所得(以下、事業所得等)は、収入から経費を引いた金額で算出されます。では、そもそも「収入とは、何を計上するのか」「いつのタイミングで計上をするのか」という疑問点があるかと思います。
本記事では、事業等収入について、解説をいたします。

●収入とは

収入とは、そもそも何か?収入の意義や計上時期、特殊な収入について、記載をいたします。

・収入に計上すべき金額

事業等の収入とは、売上その他事業に関する収入をいいます。本業の売上はもちろん、事業に関する助成金(非課税対象となるものを除く)等も含まれます。本業の売上ではないから、収入に計上していない、ということにならないよう、収入に入れるべきか否かを検討する必要があります。

・こういったものも収入になる

収入に計上すべき金額は、売上や助成金等だけではありません。
代表的なものが、棚卸資産の家事消費です。簡単にいうと、ケーキ屋を営んでいる人が売れ残ったケーキを食べたら、その分は収入にしないといけないというものです。
また、棚卸資産を贈与、つまり、タダで渡した場合も棚卸資産の価額を収入に計上しないといけません。
タダがダメなら、10円で売ればいいのかというと、その場合も実質的な贈与となるので、資産の価額と販売価額の差を収入に計上することになります。

・収入に計上すべき時期

収入に計上すべき時期は、商品の販売であれば、商品を引き渡した日の属する年、役務の提供であれば、役務の提供が行われた日の属する年となります。
勘違いしやすいのが、入金をされた日、注文をもらった日に収入を計上してしまうことです。
例えば、令和5年12月に商品を販売し、令和6年1月に入金があった場合、収入に計上すべき時期は、令和5年となります。
所得税は、年計算ですので、同年内の月ずれであれば、問題ではありませんが、上記のように年をまたいだ場合は、注意が必要です。

・収入にならないもの

非課税の規定ではありませんが、収入にならないものはいくつかあります。
例えば、資産の取得のために、国庫補助金の支払を受けた場合で、補助金目的の資産を購入した場合や国等から立ち退き要請があり、立退料として受けた補助金(立ち退きをするための移転に使用した場合に限ります)自己破産等により、債務免除を受けた場合の債務免除益があげられます。
これらは金銭を受けたり、債務を免除してもらったりしていますが、収入とするにはなじまないものなので、収入金額には計上しなくてよいものとなります。

●まとめ

本記事では、収入について、記載をしました。収入を正しく計上しない場合、所得を過少または過大に計上してしまう可能性があります。特に家事消費等は、盲点となりやすいので、注意し、正しく収入を計上するようにしましょう。