164 法人税法上の交際費とは?損金算入は、いくらまでできるのか

2023年9月19日

法人が交際費を使用する場合、損金に算入できる金額には、制限があります。企業の経理においても、交際費になるもの、そうでないものの判定というのは、非常に重要です。
では、交際費とは、「そもそもどういったものが対象となるか」「いくらまで、損金に算入できるのか」こうした疑問が生じると思います。
本記事では、法人の交際費と課税関係について、記載をいたします。

●交際費の定義と損金不算入額について

交際費の損金不算入は、法人が交際費を乱用しないための抑制規定です。交際費の定義、損金算入限度額について、以下に詳細を記載いたします。

・法人税法上における交際費の定義とは?

そもそも、交際費とは、何を指すのでしょうか、交際費とは、その名称どおり、接待飲食や贈答品、慰安などを取引先や仕入先に対し、おこなうものです。
ただし、贈答品であっても、毎年配布する自社のカレンダーや手帳などは、広告宣伝費という扱いになり、交際費には該当しないものになります。

・交際費のなかの接待飲食費とは?

交際費は支出交際費と接待飲食費にわかれます。接待飲食費とは、一人あたり、5,000円超の飲食を指します。一人あたり、5,000円以下のものは、会議費などで処理がされます。
取引先と一人あたり、1万円の食事をした。100万円で店を貸し切り、参加人数100人で飲食をしたなど、一人あたり、5,000円超の場合は、接待飲食費に該当します。
経理の実務の視点であれば、交際費が接待飲食費に該当をするのか、その他の交際費(支出交際費)に該当をするのかということを仕訳時に区分をしておく必要があります。

・損金不算入額は、どう判定をするか

交際費の損金算入限度額を定めるときは、まず、法人の資本金が1億円以下か1億円を超えるのかで、区分されます。
1億円以下の場合は、800万円か接待飲食費の多い額です。言い換えれば、800万円までは、交際費を使用しても、全額損金とすることができます。
一方、1億円超の場合、損金不算入額は、交際費の額 - 接待飲食費×50パーセントとなります。
したがって、すべて損金になることは、ありません。
資本金が1億円以下か1億円超かというのは、法人税率など、他にも判定の有利不利になる基準がいくつかあります。税務の視点であれば、資本金を1億円超にするのは、相当な理由があった場合にのみしたほうがよいということになります。
なお、資本金が100億円超の法人の交際費は全額損金不算入となります。

●まとめ

本記事では、交際費と課税関係について記載をしました。交際費は接待飲食費とその他の交際費にわかれます。また、損金算入額も資本金が1億円以下と1億円超で計算が変わります。
交際費というのは、取引先と友好的な関係を築くために必要な費用ですが、こういった税制があるということも覚えておきましょう。