060 経営セーフティ共済を活用した節税対策について
2023年5月16日
法人が事業活動を行い、所得が発生すると、毎年法人税が発生します。法人税において、脱税は絶対にしてはなりませんが、節税であれば合法の範囲内でいくらしても構いません。今回は法人税における節税方法の中でも、複数のメリットがある「経営セーフティ共済」を活用した節税方法をご紹介しますので、是非参考にして下さい。
経営セーフティ共済とは
経営セーフティ共済とは、経営する会社が万が一倒産をした際に、中小企業等が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐ為の制度です。掛金月額は5千円〜20万円まで自由に設定が可能であり、増額や減額もできます。自己都合での途中解約であっても掛金を12ヶ月以上納めていれば掛金総額の80%以上、40ヶ月以上納めていれば掛金の全額が戻るので、積立貯金としても機能します。この経営セーフティ共済には他にも2つのメリットがあります。
メリット
1つ目のメリットは、今回のタイトルにもありますように節税対策になるという点です。確定申告の際に掛金を全額損金に計上できる為、その分課税所得を抑える効果があります。毎月20万円掛金を納めておけば、年間で240万円の損金を計上することができます。余談ですが、個人事業主の方でも、経営セーフティー共済への加入は可能であり、同じく掛金の全額を必要経費に算入することが出来るので、大きな節税メリットを享受できます。
2つ目のメリットは、いざという時に無担保・無保証で借入が可能という点です。取引先の倒産で回収不能となった金額と掛金の10倍(上限8千万円)のいずれか少ない金額まで借入が出来ます。利率も年0.9%と低水準であり、資金使途も経常運転資金や設備資金にも活用できます。金融機関借入でも1%を下回る条件での融資は困難であることからも、いかに金利面でも優遇されているかがわかりますね。
注意点
しかしながら、この制度にも注意すべき点が2つあります。
1つ目の注意すべき点は、解約金は「雑収入」として課税されてしまう点です。もし途中解約をする際は、赤字決算となった時に行うと負担税額を軽減することが可能になります。
2つ目の注意すべき点は、納付期間が40ヶ月以下だと元本割れをする点です。元本割れを起こしてまで解約金を受け取るのは、もったいなく感じるので、納付開始40ヶ月までは他の資金で対応していきたいですね。
今回は法人税の節税方法として経営セーフティ共済をご紹介しました。多少の注意すべき点はあるものの、総じて見るととてもメリットが大きい制度です。上手に活用して、少しでも法人税の節税に役立てれば幸いです。