130 棚卸資産と固定資産の違いは?

2023年7月29日

事業を営んでいる場合、資産を取得することがあります。高額のビルや土地もあれば、販売する商品、少額の備品などさまざまです。
これらの資産は「会計上どうなるのか」「税務にどういった影響があるのか」という疑問があると思います。
本記事では、会計上の資産について記載をいたします。

●資産の種類と区分方法

資産には、いくつかの種類があります。資産は、金額や使用年数などで区分をします。
資産について、詳細を記載します。

・資産の種類

資産は大きく分けると、棚卸資産と固定資産、資産計上を行わない少額の備品に分かれます。
棚卸資産は、販売目的の資産になります。仕入を行う商品などが対象となります。
一方、固定資産は、使用期間が1年超で、かつ、金額が1つ20万円以上のものになります。使用期間が1年以下であれば、高額であっても固定資産にはなりません。
例えば、販売用の貴金属など高価なものは、仕入価額が20万円を超える場合があります。しかし、販売用であるため、通常は1年以内に販売をするものです。そのため、固定資産にはならず、棚卸資産とすることが適切な処理となります。
資産計上を行わない少額の備品は、1つ20万円未満の少額の資産です。ただ、10万円以上20万円未満のものは、一括償却資産となり、税務上は3年で償却をするので、注意が必要です。

・資産はいつ経費になる?

資産が費用として計上される時期も資産の種類によって変わります。
まず、棚卸資産は、商品の販売時となります。例えば、5000円で仕入れをしたものが、10000円で売れた場合、売上10000円、売上原価5000円と計上されます。

一方、固定資産は減価償却の対象となり、減価償却費として、数年にわたって費用化されます。年数は法定耐用年数というものがあり、短いものなら2年、長いものなら50年以上かけて費用化されるものもあります。

少額の備品などは、購入時の費用となります。
・20万円以上の資産でも経費にできる

20万円以上のものは固定資産になり、減価償却の対象となります。
しかし、青色申告者の場合、1つ30万円までの資産であれば、減価償却をせず、取得した年に費用とすることができます。これを少額特例といいます。
ただし、1年あたりの限度額は300万円となるので、覚えておきましょう。

・固定資産にすることでかかる他のコスト

固定資産には、取得費用以外にかかるコストがあります。それは、償却資産税というものです。固定資産税ともいいます。
資産が設置してある地方自治体ごとに申告や支払いが必要となります。申告は毎年1月31日となります。多数の資産を取得している場合は、事務処理が増えるため、あらかじめ資産のリストを作成しておき、資産がどこにあるかを明確にしておくとよいでしょう。

●まとめ

本記事では、資産について、記載をしました。
資産は棚卸資産と固定資産にわかれます。特に固定資産は金額での分類や耐用年数などの判定が必要になるので、注意が必要です。
固定資産にしないといけないのに、費用にしてしまった。耐用年数を間違えたとなると、修正が必要となるので、慎重に判断をし、処理をしていきましょう。