132 配偶者控除と配偶者特別控除の違いとは?詳しく解説

2023年7月31日

103万円の壁という言葉を耳にしたことはあると思います。年収103万円とは扶養親族や控除対象配偶者になれるか否かという年収のラインになります。
しかしながら、2018年に配偶者特別控除の控除枠が拡大しました。それにより、年収103万円から150万円の間でも、年収103万円以下と同様の控除を受けることが可能となりました。
では、「そもそも配偶者控除と配偶者特別控除とは何か?」「これらの違いは?」などの疑問点が生じると思います。
本記事では、配偶者控除と配偶者特別控除について記載をいたします。

●配偶者控除、配偶者特別控除とは?

配偶者控除も配偶者特別控除も配偶者の所得が一定以下であれば、所得控除を受けることができるというものです。これは、生活費に考慮した制度となります。
以下、詳細を記載します。

・配偶者控除・配偶者特別控除を受けた方が得になる?

経済単位を夫婦と考えた場合、配偶者が稼ぐよりも、もう一方が配偶者控除・特別控除を受けることにより、税金が安くなり、結果、夫婦にお金が残るという場合もあります。
特に所得税の場合、超過累進税率であるため、片方の収入が高いと、所得税率も高くなります。例えば、所得が900万円あり、所得税率が33%の場合があるとします。配偶者控除を使用し、38万円の所得控除を受けると、38万円×33%=12万5400円の税負担の緩和があります。
配偶者が稼ぐのを抑えることにより、結果、得をするというケースは多々あります。

・配偶者控除の制度の詳細

配偶者控除は、合計所得金額が48万円(給与収入で103万円)以下の配偶者を有している場合、38万円の所得控除を受けることができるというものです。配偶者の年齢が70歳以上であれば、48万円となります。
注意点は、配偶者控除の適用を受ける側の合計所得金額が900万円を超えると配偶者控除の金額は減額され(900万円超950万円以下は、3分の2となり、950万円超1000万円以下は3分の1となります。)、1000万円を超えると、配偶者控除を受けることはできません。
配偶者の収入だけではなく、自分の収入にも気を配る必要があります。

・配偶者特別控除の制度の詳細

配偶者特別控除は、配偶者の合計所得金額が48万円超123万円以下(給与収入で103万円超201万6千円以下)であっても、控除を受けることができるというものです。
ただし、所得が多くなるにつれて、控除額は少なくなります。合計所得金額が95万円(給与収入で150万円)までなら、配偶者控除同様38万円の控除を受けることができます。
そこからは、収入に比例して下がっていき、最小は3万円の控除となります。
なお、70歳以上の加算はなく、配偶者控除同様、合計所得金額が900万円を超えると減額されていきます。

●まとめ

本記事では、配偶者控除と配偶者特別控除について記載をしました。103万円の壁という言葉の印象が強く、年収を103万円以内におさえてしまうかもしれませんが、配偶者特別控除があるため、150万円まで収入を得ても、控除金額は変わりません。
制度をよく理解し、自分が選択すべき正しい働き方をしましょう。