143 会社勤務の人でも確定申告をする必要がある?!

2023年8月14日

会社に勤務をすることで収入を得ている給与所得者は、一般的には会社で年末調整を受けることで所得税の精算が行われます。よって多くの給与所得者は確定申告を行う必要がありませんが、一定の場合には、確定申告が必要です。
今回は、確定申告を行う必要のある又は行った方が良い給与所得者についてご紹介を致します。

1年末調整と確定申告

年末調整と確定申告は、どちらも年間の所得税を決定し納税を行う手続きですが、手続きを行う人、納税をする人やその時期が異なります。
年末調整は給与所得者だけが受けることができ、給与情報等をもとに各従業員の年間の所得税額を計算、納税する手続きを会社が従業員本人に代わって行います。この手続きは例年12月から1月頃に行われます。
一方で確定申告は全ての人が行うことができ、自身で年間の所得税を計算、納税する手続きです。この手続きは例年3月頃に行われます。

どちらも年間の所得税を決定し納税を行う手続きであることから、年末調整によって所得税の精算が行われている場合には、改めて自身で確定申告を行う必要はありません。

2確定申告を行う必要のある給与所得者

多くの給与所得者は年末調整によって所得税の精算が行われますが、下記に該当をする場合には、確定申告が必要です。

①給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
②1ヶ所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
③2ヶ所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
④同族会社の役員等で、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料等を受け取っている人
⑤災害減免法により源泉徴収の猶予等を受けている人
⑥源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
⑦退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

3確定申告を行った方が良い給与所得者

確定申告を行う必要のある給与所得者以外にも、義務で無いが確定申告を行った方が得になる場合もあります。
それは、年末調整の精算に加えて情報を税務署に提供をすることで、所得税が還付される人です。所得税が還付される可能性がある場合とは、下記の場合をいいます。

①年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっているとき
②一定の要件のマイホームの取得等をして、住宅ローンがあるとき
③マイホームに特定の改修工事をしたとき
④認定住宅等の新築等をした場合
⑤災害や盗難等で資産に損害を受けたとき
⑥特定支出控除の適用を受けるとき
⑦多額の医療費を支出したとき
⑧特定の寄附をしたとき
⑨上場株式等に係る譲渡損失の金額を申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額から控除したとき

4まとめ

給与所得者の多くは年末調整を受けることで確定申告が不要となりますが、一定の条件のもとでは、確定申告を行う必要のある又は行った方が良い人に該当をします。
確定申告の必要性について、給与所得者であっても毎年ご確認をすることをおすすめ致します。