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126 書類は電子データで保存すべき?電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法というものをご存じでしょうか?一定の要件を満たせば、書類を紙ではなく、電子データで保存できるというものです。
しかしながら、「そもそも電子帳簿保存法とは何か?」「紙で保存を続けることはできるのか?」などの疑問点があると思います。
本記事では、電子帳簿保存法について記載をいたします。

●電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、その名のとおり、決算書など保存義務がある書類を電子データで保存ができるというものです。保存方法は3つあります。詳細を説明していきます。

・①電子帳簿保存
保存方法の1つが①電子帳簿保存です。①電子帳簿保存とは、簡単に説明すると「会計ソフトで作成した帳簿(総勘定元帳や仕訳帳等)はデータのままで保存できる。」というものです。
総勘定元帳や仕訳帳は取引が増えていくと100ページや1000ページ以上になることも珍しくはありません。電子保存することにより、印刷や保管の手間を減らすことができます。

・②スキャナ保存
②スキャナ保存とは、受領した請求書等を紙ではなく、スマートフォンやスキャナで読み取り、データで保存することができるというものです。①電子帳簿保存は自社のパソコンで作成したものですが、②スキャナ保存は、取引先から受領するものです。
原則として、カラーで保存をしておくことになります。

・③電子データ保存
③電子データ保存は、取引情報のやりとりを電子データで行った場合、電子データで保存をしなければならないというものです。例えば、請求書をメール添付でもらい、原本は送付されていないケースやネット通販で購入し、領収書をPDFでダウンロードした場合等も該当します。

・任意適用と強制適用

電子データの保存方法は大きく3つに分かれることを説明しました。このうち、①電子帳簿保存と②スキャナ保存は、任意ですが、③電子データ保存は、強制適用となります。
さらに、令和5年12月31日までは、③電子データ保存に該当するケースであっても、印刷し、紙で保存という方法も認められましたが、令和6年1月1日からは、「相当な理由」がある場合を除き、③電子データ保存は、紙での保存が認められなくなります。

・データで保存するメリット

帳簿や請求書等をデータで保存するメリットは、なんといってもコストの削減です。紙の場合、印刷する紙代やプリンタ代、さらにはファイリングする事務用品、保存する場所の確保も必要です。
しかし、電子データの保存であれば、これらのコストは不要となります。そういった点では、メリットが大きいものとなります。

●まとめ

本記事では、電子帳簿保存法について、記載をしました。経理書類関連をなんとなくデータで保存していたというケースもあるかもしれませんが、しっかりと法整備がされています。
電子帳簿保存法を正しく理解し、電子データで書類等を保存することにより、コスト削減を取り組むこともできますので、ぜひ実践してみてください。

125 静岡市に住む夫婦必見!パート主婦や主夫の税金のかからない収入とは?

パート勤務をされている主婦や主夫の方には、税金のかからない範囲でのパート収入を希望される方が多くいらっしゃいます。パート勤務によりかかる可能性のある税金とは、住民税と所得税のことです。
静岡市に住むパート勤務者の、それぞれの税金のかからない範囲での収入とは何円なのか、についてご紹介を致します。

1住民税、所得税のかからない収入

住民税、所得税が共にかからない収入とは、年間の給与収入が96万5千円以下の収入をいいます。

2住民税はかかるが、所得税のかからない収入

住民税はかかるが、所得税の掛からない収入とは、年間の給与収入が96万5千円超103万円以下の収入をいいます。
この場合の住民税額は、適用する控除が基礎控除のみである場合には、給与収入が96万5千円超100万円以下では5,400円、100万超103万円以下では7,900円です。

3住民税も所得税もかかる収入

住民税も所得税もかかる収入とは、103万円超の収入をいいます。

4パート勤務と配偶者控除

パート勤務をされている主婦又は主夫の方の中には、自身の税金がかからないことのみならず、配偶者控除の適用範囲内で働きたいと希望される方も多くいらっしゃいます。
配偶者控除とは、住民税及び所得税の納税者に税法上の控除対象配偶者がいる場合に受けられる控除のことです。
よって配偶者控除の適用範囲内のパート収入であれば、夫ないし妻の納税すべき住民税及び所得税を減額することができます。

配偶者控除の適用をすることができる収入とは、103万円以下の収入をいいます。納税する夫ないし妻の年間収入が1,095万円以下であれば住民税は33万円、所得税は38万円の配偶者控除、納税する夫ないし妻の年間収入が1,145万円以下であれば住民税は22万円、所得税は26万円、納税する夫ないし妻の年間収入が1,195万円以下であれば住民税は11万円、所得税は13万円の控除額が適用されます。

また、103万円超201万6千円以下の収入の場合は、配偶者控除ではなく配偶者特別控除が適用されます。収入の額に応じて、配偶者控除よりも少ない金額の控除額が適用されます。

納税する夫ないし妻の年間収入が、1,195万円超である場合には、配偶者控除、配偶者特別控除の適用は共にありません。

5まとめ

パート勤務をされている主婦や主夫の方自身の税金がかからず、かつ納税する夫ないし妻の配偶者控除が適用することができる場合とは、パート年間収入が96万5千円以下、かつ納税する配偶者の年間収入が1,195万円以下の場合です。
勤務日や勤務時間を調節できる場合には、これを念頭におきながら働くことで、家計全体の節税をすることができます。ご参考になさってください。

 

124 個人事業主はいつ支払う?静岡市の住民税の納期限

個人事業主は、住民税の支払い方法が普通徴収であることから、自身で期日を管理し、資金繰りを行う必要があります。
今回は、静岡市の住民税の納期限と支払方法についてご紹介致します。

1静岡市の普通徴収の納期限

普通徴収の場合は、第1期から4期までの年4回の納期限があります。それぞれの期の納期限は下記のとおりです。例年この日付ですが、各日付が土、日、祝祭日に該当をする場合には、翌日となります。
・第1期…6月15日から6月30日
・第2期…8月1日から8月31日
・第3期…10月1日から10月31日
・第4期…翌年1月1日から1月31日

2静岡市の普通徴収の納付方法

静岡市の普通徴収での納付方法は、納付書を金融機関等に持参し現金等で納付する方法、口座振替で納付する方法、キャッシュレス決済を行う方法の3つに大別することが出来ます。

①納付書を金融機関等に持参し現金で納付する方法
事業者が行った所得税や住民税の申告をもとに、市が住民税を計算し、納税通知書及び納付書が第1期の納期限までに送付されます。
その納付書を金融機関又はコンビニエンスストアに持参し、納付を行います。

令和5年度の納付可能金融機関は、静岡銀行、清水銀行、スルガ銀行、静清信用金庫、しずおか焼津信用金庫、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、名古屋銀行、中京銀行、静岡中央銀行、三井住友銀行、島田掛川信用金庫、静岡県労働金庫、富士信用金庫、静岡県内に所在する東日本信用漁業協同組合連合会、静岡市農業協同組合、清水農業協同組合です。

令和5年度の納付可能コンビニエンスストアは、セイコーマート、セブン-イレブン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラグループ、ミニストップ、ニューヤマザキデイリーストア、ローソン、アピタやイオン等のMMK設置店です。

②口座振替で納付する方法
金融機関では現金等の納付に代えて、口座振替を利用することができます。口座振替の利用には、金融機関の窓口での申し込みが必要です、
申し込みには、納税通知書、預貯金通帳、金融機関届出印を持参する必要があります。

令和5年度の納付可能金融機関は、上記の銀行と、ゆうちょ銀行です。

③キャッシュレス決済を行う方法
送付される住民税の納付書が、1枚の納付書が30万円以下であるコンビニ等収納用バーコードが付されているものである場合には、キャッシュレス決済を利用することができます。
キャッシュレス決済の利用には、バーコードを読み取ることができるスマートフォンと、キャッシュレス決済用アプリが必要です。

令和5年度の納付可能キャッシュレス決済サービスは、モバイルレジ、LINEPay、PayPay、d払い、J-CoinPay、auPAY、楽天銀行、楽天ペイ、FamiPayです。

4まとめ

静岡市の住民税の納付を怠った場合の延滞金は、納期限の翌日から1月を経過する日までの期間は、原則として年2.4%。それ以降は、年8.7%の割合でかかります。
納付期限が年4回と頻回であるように思えますが、様々な納付方法があり、住民税の納税手続きは難しいものではありません。
延滞金を負担することがないよう、住民税の納付期限や納付方法はしっかりと確認しておきましょう。

123 静岡市に居住している人で、住民税を申告すべき人とは?

静岡市に居住をしている人は、静岡市の居住区に住民税を支払う必要があります。しかし、必ずしも全ての人が申告を行う必要があるものではありません。
どのような人が申告をするべきかについて、ご紹介致します。

1住民税を申告すべき人

下記に該当をする場合には、住民税の申告が必要です。
①1月1日時点で静岡市に居住し、前年中の合計所得金額が下記の計算式を超える人
315,000円×(同一生計配偶者+扶養親族の数+1)+100,000円+189,000円
同一生計配偶者、扶養親族がいない場合には、189,000円は加算されません。この計算式以下の場合には、非課税限度額を下回るため、住民税が課税されず、申告は不要です、
②1月1日時点で静岡市に居住し、一定のところに勤務していない人
日雇い労働者等が該当をします。一定のところに勤務し、給与支払報告書が勤務先から提出される場合には、申告は不要です。
③1月1日時点で静岡市に居住し、給与所得のあった人で下記に該当をする人
・勤務先から静岡市への給与支払報告書が提出されない人
・給与所得以外にも他の所得があった人
④1月1日時点で静岡市に居住し、所得控除を追加、訂正する人
勤務先から給与支払報告書が提出されている人、年金保険者から公的年金等支払報告書が提出されている人、自身で所得税の申告を提出している人は、原則として申告は不要ですが、その既に提出された内容に所得控除が追加、訂正がある場合は申告が必要です。
⑤1月1日時点で静岡市に居住し、専従者控除の適用を受けようとする人
所得税で一定の理由に基づき専従者給与届出書を提出しないで配偶者控除や扶養控除の対象とした人を、住民税や事業税では青色事業専従者とすることができます。この適用には申告が必要です。
⑥1月1日時点で、静岡市に居住していない人で、市内に事務所、事業所、家屋敷を有する人
静岡市に居住していない場合においても、申告が必要な場合があるため、注意をする必要があります。
⑦1月1日時点で、居住区以外の区に事務所、事業所、家屋敷を有する人
静岡市に居住をしていても、居住区以外に事務所等を有する場合には、該当区への申告が必要です。

2住民税の申告書の提出期限

1月1日時点で申告の有無を確認した後、申告する場合には、例年3月15日が提出期限です。
3月15日が土、日、祝祭日に該当する年においては、その翌日となります。

3まとめ

静岡市に居住する人のうち、上記に該当をする人は、居住する区に住民税の申告を行う必要があります。この申告をもとに、該当年度の住民税が計算され、納付書が手元に届きます。
ご不明な点は、各区の市民税課にお問い合わせされることをおすすめ致します。

122 静岡県の法人必見!法人県民税とは?

法人県民税とは、県に所在する法人が納めるべき住民税のことです。静岡県に所在する法人は、森林づくり県民税をあわせて納付する必要があることが特徴的です。
今回は、静岡県の法人が納めるべき法人県民税についてご紹介致します。

1法人県民税の仕組み

法人県民税には、法人税割と均等割があり、これを合算した金額を県に納付する必要があります。
法人税割とは、法人税額に応じた負担を求めるもので、利益が無く法人税額が発生しない年度には0円と計算がされます。
一方で均等割とは、資本金の額や従業員数に応じて定額の負担を求めるもので、利益が無く法人税額が発生しない年度においても、納付をする必要があります。

2静岡県で法人県民税を納めるべき法人

下記の区分に応じて、支払うべき金額が異なります。
①県内に事務所や事業所を持っている法人
法人税割と均等割の両方が課されます。
②県内に事務所や事業所を持っていないが、寮や宿泊所やクラブ等を持っている法人
均等割のみが課されます。
③県内に事務所や事業所又は寮等を持っている法人でない社団又は財団で、代表者又は管理人の定めがあり、かつ収益事業を行う法人
法人税割と均等割の両方が課されます。

3法人税割の額

静岡県内の法人税割の額は、下記の開始事業年度に応じて、税率が異なります。
①平成26年9月30日までに開始する事業年度
…法人税額の5%
②平成26年10月1日から令和元年9月30日までに開始する事業年度
…法人税額の3.2%
③令和元年10月1日以後に開始する事業年度
…法人税額の1%

4均等割の額

静岡県内の均等割の額は、下記の区分に応じて、税額が異なります。
①下記に該当する法人
…均等割20,000円+森林づくり県民税1,000円の計21,000円
・公益法人及び公益法人等
・人格のない社団等
・資本金の額または出資金の額を有しない法人
・資本金等の額が1,000万円以下の法人
②資本金等の額が1,000万円を超え1億円以下の法人
…均等割50,000円+森林づくり県民税2,500円の計52,500円
③資本金等の額が1億円を超え10億円以下の法人
…均等割130,000円+森林づくり県民税6,500円の計136,500円
④資本金等の額が10億円を超え50億円以下の法人
…均等割540,000円+森林づくり県民税27,000円の計567,000円
⑤資本金等の額が50億円を超える法人
…均等割800,000円+森林づくり県民税40,000円の計840,000円

5まとめ

法人県民税についてご紹介を致しました。法人県民税のうち、均等割は利益の有無に関わらず納付が求められるものであるため、資金繰り等を考える際には、この税額について知っておく必要があります。
ご不明な点がございましたら、所轄の県税事務所にお問い合わせされることをおすすめ致します。

121 静岡県の住民税は高い?!森林づくり県民税とは

住民税は所得割と均等割からなり、均等割の通常の金額は、市町村民税3,500円と都道府県民税1,500円の計である5,000円です。
しかしながら、静岡県の県民税は1,900円であることから、均等割の金額は5,400円です。この400円の差額は森林づくり県民税という静岡県が独自で徴収している税金です。
今回は、この森林づくり県民税についてご紹介致します。

1森林づくり県民税とは

森林づくり県民税とは、荒廃した森林を再生し、山地災害の防止や水源のかん養等のための森の力再生事業を行う財源の確保のために、静岡県が定め独自で徴収している税金です。

静岡県は県土の2/3が森林であることから、森林の山崩れの防止や水を貯える機能の維持は、県民の生活を守るうえで、とても大切なことです。

森の力再生事業は平成18年から開始されており、平成28年からの10年間の計画においては、約11,200ヘクタールの荒廃森林を再生する予定となっています。

この課税期間は、平成18年度から令和7年度までの20年間であり、個人は年400円、法人は法人県民税均等割の税率に5%を上乗せとして、年1,000円から40,000円が課されます。
平成18年から令和2年度の15年間の税収の実績は、約145億円です。

2静岡県の住民税は高い?

通常5,000円である住民税の均等割と比較をすると、静岡県の住民税は5,400円と高いですが、その他にも独自の税金を徴収している都道府県があり、通常5,000円としながらも、約8割の都道府県が5,000円超の均等割を課しています。

2023年現在、最も高い住民税の均等割額は6,200円とされています。該当地域をご紹介致します。

①神奈川県横浜市
神奈川県横浜市の住民税均等割額は、市民税4,400円と県民税1,800円の合計6,200円です。
市民税には横浜みどり税900円、県民税には水源環境保全税300円が通常より加算されています。
②兵庫県神戸市
兵庫県神戸市の住民税均等割額は、市民税3,900円と県民税2,300円の合計6,200円です。
市民税には認知症神戸モデル400円、県民税には県民緑税800円が通常より加算されています。
③宮城県全域
宮城県全域の住民税均等割額は、市民税3,500円と県民税2,700円の合計6,200円です。
市民税は通常と変わりありませんが、県民税にみやぎ環境税1,200円が通常より加算されています。

このような自治体を含めると、静岡県の住民税は必ずしも全国的に高いものではなく、所得割を含めた支払うべき住民税額を同年収で比較すると、静岡県は全国平均より支払うべき住民税が低い自治体に該当をするといえます。

3まとめ

住民税の均等割には、自治体が独自で課すことの出来る税金が含まれています。総務省は通常の均等割の額を5,000円としていますが、多くの自治体はそれに加算をして徴収をしています。
静岡県も独自に森林づくり県民税を加算し徴収をしていますが、全国的にみると決して高いものではありません。
住民税は、このように自治体によって差があることが、非常に特徴的な税金です。ご参考になさってください。

120 配偶者控除・扶養控除が受けれなくラインとは

個人の確定申告をする場合、収入から経費を差し引いた所得を基に、納めるべき所得税額を計算します。
この所得税額を計算するにあたり、所得控除というものがあります。(税額控除もありますが、ここでは説明は省略します)
所得控除はいくつかの種類に分類されており、適用要件も種類によって様々です。
今回は所得控除の中でも、配偶者控除と扶養控除にスポットを当てて解説していきたいと思います。

◆所得控除とは

所得控除とは、各人の事情を加味して公平な税負担を確保するために設けられた制度になります。
現在、所得控除の種類は15種類あり、下記内容のものが挙げられます。
・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・寡婦控除
・ひとり親控除
・勤労学生控除
・障害者控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・基礎控除
・雑損控除
・医療費控除
・寄附金控除
今回は配偶者控除と扶養控除について解説していきます。
配偶者控除とは、その年の12月31日において下記内容を満たしており、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下である場合に受けられる所得控除になります。
① 民法の規定による配偶者であること。すなわち婚姻関係を結んでいる夫婦であること。
② 夫婦で生計を一にしていること。
③ 年間の合計所得金額が48万円以下であること。(給与のみの場合は、給与収入が103万円以下)
④ 青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと。

上記要件を満たした場合には、控除を受ける納税者本人の合計所得金額、および控除対象配偶者の年齢によって、一定の金額が所得控除として受けられます。

次に扶養控除について解説します。
扶養控除とは、配偶者以外の子供や両親などを扶養に入れている場合に適用を受けることができる所得控除になります。
扶養控除の対象となる人の要件としては下記内容が挙げられます。
・12月31日時点で年齢が16歳以上であること
・納税者と生計を一にしている。(1人暮らしをしているため、仕送りを送っている子供も対象になります。)
・年間の合計所得金額が48万円以下であること
・青色事業専従者に該当していないこと
・他の人の扶養に入っていないこと

以上の要件を満たしている場合には、年齢や同居しているかどうかによって、扶養控除として納税者本人に対して38万円から63万円の範囲内で所得控除の適用を受けることが可能となります。

◆ 配偶者控除・扶養控除が受けれないラインとは?

・配偶者控除及び配偶者特別控除について
配偶者控除は上述したように、適用要件を満たした配偶者であることが必要となります。
配偶者が給与収入のみという事を前提とした場合、年間の合計所得金額48万円というのは給与収入の場合、103万円ということになります。
すなわち、給与収入103万円以下である場合に配偶者控除の適用を受けることが出来ます。
ただし、この配偶者控除は税制改正によって2018年1月以降は、世帯主である納税者本人の年収によって控除額が変更となりました。
一般の控除対象配偶者と70歳以上の老人控除対象配偶者とでも控除金額は変わりますが、以下では一般の控除対象配偶者を前提に解説します。
控除を受ける世帯主の合計所得金額が900万円以下の場合には、38万円の配偶者控除の適用を受けることができます。
世帯主の合計所得金額が900万円超950万円以下の場合には、26万円の配偶者控除の適用を受けることができます。
世帯主の合計所得金額が950万円超1,000万円以下の場合には、13万円の配偶者控除の適用を受けることができます。
このように世帯主の所得が増えれば増えるほど、段階的に控除額が引き下げられるようになっております。
なお、世帯主の合計所得金額が1,000万円超の場合には配偶者控除の適用を受けることが出来ません。

・扶養控除について
扶養控除とは上述したように、配偶者以外の生計を一にしている子供や親などを扶養に入れている場合に受けられる所得控除です。
給与収入のみを前提として、年間の合計所得金額48万円以下が扶養控除の適用要件となっております。
この合計所得金額48万円というのは、給与収入が103万円ということになります。
したがって、扶養控除の適用を受けるためには扶養控除の対象となる被扶養者の収入が103万円以下であれば扶養控除の適用を受けることができます。
逆に言えば、103万円を超えてしまう場合には扶養控除の適用を受けることが出来ないという事になります。

◆社会保険との関係

社会保険の場合にも一定金額以下の場合には、社会保険料が免除されることになっております。
配偶者や扶養者がアルバイトやパートなどにより働いている場合、年間の収入が130万円以下である場合には配偶者や扶養者自らは社会保険料を納める必要がなく、世帯主の健康保険に加入することができます。
一般的に「社会保険の壁」と言われておりますが、そのボーダーラインが給与収入130万円となります。
ただし、厚生年金の被保険者数が501人以上である事業所に勤務している場合や、雇用契約期間1年以上であり、週に20時間以上働いており月収88,000円を超えて働いている場合には、勤務先の社会保険へ加入する必要があるため、アルバイトやパートであっても勤務先で社会保険については事前に確認しておく必要があります。

◆結論

以上、配偶者控除と扶養控除の適用の範囲内について解説しました。

また、社会保険の免除されるラインについても触れました。

世帯主の所得が1,000万円以下である場合には、扶養控除や配偶者控除の適用を受けることが出来ますので、上記ケースに該当する場合には是非適用を受けられるような働き方をして頂き、不明な点があれば、勤務先や管轄税務署、税理士などにも相談してみることをおすすめします。

119 損益通算とは

所得税の確定申告を行う際には、事業所得や不動産所得、譲渡所得などさまざまな所得を合計して最終的な所得税額を計算します。
所得税の確定申告にあたり、赤字がある場合に赤字が出た所得から、他の黒字となっている所得を相殺することが出来る損益通算というものがあります。
今回は、損益通算とは具体的にどういったものなのかを以下で解説していきたいと思います。

◆損益通算とは

損益通算とは、各種所得の中では相殺しきれず、所得金額に損失が生じているものがある場合に、特定の所得の損失についてのみ、その損失を他の所得から一定の順序に従って差し引くことをいいます。
なお、各種所得の金額の計算上生じた損失の中には、損益通算になじまないものがありますし、また、所得の性質の似た種類の所得グループにおいてまず損益通算し、次いでその他の種類の所得に損益通算をしていくのが合理的であるとも考えられますので、所得税法では、損益通算のできるものの範囲やルールが設けられています。
なお、損益通算は損益通算が出来る損失と出来ない損失に区分されております。
・損益通算が出来る損失
①不動産所得
②事業所得
③譲渡所得(総合課税の譲渡による損失、居住用財産の買い替え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失に限る)
④山林所得

・損益通算が出来ない損失
①配当所得
②一時所得
③雑所得
④給与所得
⑤個人に対する資産の低額譲渡により生じた損失
⑥競走馬(事業用は除く)、別荘、書画、骨董、貴金属等の生活に通常必要でない資産についての所得の計算上生じた損失
⑦非課税所得の金額の計算上生じた損失
⑧土地建物等の譲渡による分離課税の譲渡所得の金額の計算上生じた損失
⑨株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上生じた損失(ただし上場株式等の譲渡損失については、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得とのみ損益通算可能)
⑩先物取引に係る雑所得等の金額の計算上生じた損失

◆損益通算の順序

損益通算の順序は、総所得金額を構成する8つの所得を次の2つのグループに区分します。
①経常所得グループ
事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得
②譲渡、一時所得グループ
譲渡所得、一時所得
上記2つのグループを分けたら、まずはグループ内で損益通算を行います。
次にそれぞれのグループのいずれかに損失の金額が残っている場合には、さらに2つのグループ間の損益通算を行います。
譲渡、一時所得グループの損失の金額を経常所得グループの所得の金額から差し引く場合は、譲渡、一時所得グループの損失の金額をそのまま差し引きます。
それに対し、経常所得グループの損失の額を譲渡、一時所得グループの所得金額から差し引く場合は、譲渡所得→ 一時所得の順番で損益通算を行っていきます。
なお譲渡、一時所得グループの譲渡所得の金額の中に短期譲渡所得の金額と長期譲渡所得の金額とがある場合には、まずは短期譲渡所得の金額から差し引きます。
また、総合課税の長期譲渡所得、一時所得は2分の1をする前の所得金額が損益通算の対象になります。
それでもまだ損失の金額がある場合には、山林所得の金額→退職所得の金額から順次差し引くことになります。

◆損益通算の具体例

上記解説した内容から、以下では具体例を挙げて損益通算について紹介したいと思います。
➀事業所得の赤字と給与所得の黒字がある場合
例えば、会社員を辞めて、個人事業主として開業をした年度において、給与所得は500万円あり、事業所得は△250万円の赤字である場合は、下記算式より総合所得は250万円となります。
給与所得500万円-事業所得250万円=250万円

②事業所得の黒字と不動産所得の赤字がある場合
賃貸用マンションを購入し、不動産所得の赤字が△500万円あり、一方で事業所得は黒字5,000万円ある場合には、下記算式より総合所得は4,500万円となります。
事業所得5,000万円-不動産所得500万円=4,500万円
③給与所得の黒字と雑所得の赤字がある場合
会社員として給与所得が1,000万円あり、会社員の他に副業を行っているが、副業の方では経費がかさんでしまい、雑所得△200万円の赤字となっている場合には、総合所得は1,000万円となります。
この場合には、雑所得の△200万円の赤字は損益通算することが出来ません。
上述したように損益通算できる損失は、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得から発生した損失に限定されているので、雑所得から生じた損失については損益通算をすることは出来ません。
よって、このような場合の総合所得は、給与所得である1,000万円となります。
なお、雑所得は20万円以下であれば確定申告が不要です。

◆結論

以上が損益通算の解説となります。
損益通算を知っていれば他の所得で大きく黒字となっていても、損益通算をすることによって所得税の納税額を低く抑えることが可能です。
そのため、いくつか所得がある場合に、この所得は赤字だったから確定申告から除外するといった事はせずに、必ずすべての所得を漏れなく確定申告するようにしましょう。

118 積立NISAとは

これまでの日本は現役時代に支払っていた年金により、老後生活は問題なく過ごせていましたが、近年は高齢化社会が進み、現役世代が支払う年金が支払った金額に見合った分だけ老後に受給する事が難しくなっています。
老後2,000万円問題などにより、国は国民一人一人が自分で資産を構築できるようにさまざまな対策を考えています。
その対策の一つとして、積立NISAが挙げられます。
今回はこの積立NISAについて解説していきたいと思います。

◆積立NISAとは

積立NISAとは、2018年1月より開始された少額投資非課税制度のことをいいます。
積立 NISAの他に似たような制度として、NISAがありますが、NISAと積立NISAは毎年の非課税投資枠から得た分配金や譲渡益にかかる税金はゼロとなりますが、両者が異なる点はNISAの非課税投資枠は年間120万円に対して積立NISAの非課税投資枠が年間40万円となっています。
また、投資期間がNISAは5年に対して、積立NISAは20年という点で異なっています。
少額から毎月コツコツ、長期での資産形成を目指す方に積立NISAは向いている制度になります。

◆積立NISAのポイント

積立NISAのポイントは以下3つが挙げられます。

① 年間40万円・最長20年間非課税で運用が可能
年間40万円を上限として、自分で選んで買い付けた投資信託等から得た利益が、最長で20年間、非課税になる事が積立NISAの最大の特徴です。

② 積立NISAで購入できる商品は、「長期・積立・分散」といった投資に適した商品のみが対象である点
積立NISAの対象商品は、安定的な資産形成を目指す、「長期・積立・分散」といった投資に適した商品しか積立NISAで購入することが出来ないため、投資初心者にとっても非常に安心して購入する事ができるようになっております。
積立NISAとして購入出来る商品は、以下の条件を満たす金融庁に届け出のあった投資信託等に限定されています。
・信託期間が無期限または、20年以上
・販売手数料が無料
・分配頻度が毎月ではない
・信託報酬が低い

③ 定期的に一定金額を自動的に買い付ける事が可能
積立NISAが対象としている投資信託等の買付は、買付銘柄を指定した上で、定期的に一定金額の買付を行う方法に限られています。
自動的に買い付けるため、投資のタイミングに悩むこともありません。
投資は買うタイミングや売るタイミングが非常に重要なので、投資初心者であれば買うタイミングがいつなのか分からないといつまで経っても積立NISAを始める事が出来ないため、投資のタイミングに悩む必要がない積立NISAはとてもおすすめです。

◆積立NISAのメリット

積立NISAにはさまざまなメリットが挙げられます。
ここではメリットについていくつかご紹介したいと思います。
①運用益や分配金に対して20年間非課税であること
積立NISAは上述したように、非課税投資枠で購入した投資信託から生じた運用益や分配金が最長で20年間非課税となることが最大のメリットになります。
通常は、投資で利益を得た場合、運用益や分配金に対して20.315%の税金がかかりますが、積立NISAの場合には20年間税金が非課税になります。
そのため、本来差し引かれるべき税金分も運用にあてることが可能となっています。

②積立NISAは少額から始めることが可能
積立NISAのメリットとして、毎月の積立額が少額からでも始めることが出来ます。
毎月の積立額は。金融機関によって異なりますが、毎月の積立額を少額から始められるため、生活に負担をかけない範囲で長期的に資産形成を目指すことが可能です。
金融機関でいくらから積立可能か事前に調べておくことをおすすめします。

③投資信託の買うタイミングに悩まない点

上述したように、積立NISAはデイトレーダーのようにチャートを見て売買するのではなく、先ほども述べたように、積立の投資方法のみが認められています。買いのタイミングを見極めることは投資のプロでも難しいとされていますが、積立NISAの場合は設定した間隔で自動的に積立投資しているので、買いのタイミングを判断する必要や手間がありません。
そのため、投資初心者でも手軽に始める事が可能です。

◆積立NISAのデメリット

積立NISAはさまざまなメリットがある反面、デメリットも挙げられます。
① 購入出来る商品が限定されている
つみたてNISAで購入できるのは、金融庁の厳しい条件をクリアした投資信託・ETFのみとなるため、
非課税枠の中で国内外の個別株やREITなどへの投資を考えたい場合には積立NISAではなく通常のNISAを選ぶ必要になります。

②積立NISAで損した場合には税制上の恩恵を受けられない
積立NISAで損失が出た場合、通常の投資であれば損失を他の運用益と相殺できる損益通算や、翌年以降へ損失を繰り越す事が出来る繰越控除は認められていない点は理解しておく必要があります。

◆結論

以上が積立NISAの制度や、メリット・デメリットになります。
近年は積立NISAの口座開設数が非常に増えていますが、実際に積立NISAをしていないという口座が多いようです。
今後は円安も進むため、是非積立NISAを活用して老後資金に備えることをおすすめします。

117 青色申告が取消になるパターンとは

所得税や法人税の確定申告を行うにあたって、申告書を作成するパターンとして、白色申告と青色申告があります。
青色申告は白色申告に比べて作成に手間がかかり、事務負担が増加する反面、いくつか税制優遇措置が設けられております。
今回は青色申告について解説していきたいと思います。

◆青色申告とは

青色申告とは、税務署長へ青色申告承認申請書を提出し、承認を受け、日々の取引について一定の帳簿を備え付け正規の簿記の原則に従って帳簿を作成し、所得税や法人税を計算して申告することを言います。
青色申告のほかに白色申告というものがあります。
ここでは白色申告について説明は省略しますが、白色申告に比べて青色申告は手間がかかる反面、税制上のメリットがあります。

◆青色申告のメリットとデメリット

青色申告をすることにより、さまざまな税制優遇を受ける事が出来ます。
ただし、これらの税制優遇を受けるためにはデメリットとして挙げられる項目もあります。
ここでは青色申告のメリットとデメリットについて解説していきます。

・青色申告のメリット

①最大65万円の特別控除が受けられる。
青色申告を行う場合、10万円または65万円の特別控除を受けることが可能です。
単式簿記による記帳を行えば10万円の特別控除を受ける事ができ、取引を複数の科目で記帳する複式簿記による記帳を行えば65万円の特別控除を受けることが可能になります。

②赤字を翌期以降に繰り越すまたは繰戻還付を受けることが可能になる。
個人事業主は3年、法人は10年、過去の赤字を翌期以降に繰り越すことが可能です。
個人事業主の場合には、事業所得や不動産所得で赤字が発生した際に、赤字を翌期以降に3年間繰り越すことが可能です。
この繰り越した赤字については、翌期以降の発生した黒字から差し引くことができます。
また、当期が赤字で前期が黒字である場合には、当期の赤字を前期の黒字から繰り戻して控除し、前期に既に納めた税金の還付を受けることも可能になります。

③家族への給与を経費として計上することが出来る。
個人事業主の場合、原則として親族に対する給与は経費にすることが出来ません。
しかし、青色申告による場合には青色事業専従者給与として経費にすることができます。

④貸倒引当金を経費として計上することが出来る。
青色申告をしている個人事業主の場合には、年末に残っている売掛金や貸付金などの売掛債権や金銭債権に対して、一定の利率を乗じた金額が貸倒引当金繰入として経費に計上することができます。

⑤30万円未満の資産を一度に経費として計上することが出来る。
青色申告をしている場合には「中小企業の少額資産の特例」として、30万円未満の資産については一括で費用計上することが出来ます。
原則としては、10万円以上の資産については取得価額を全額資産計上し、その金額を耐用年数で各期に減価償却することにより少しずつ費用計上することになりますが、青色申告を適用している場合には30万円未満の資産であれば一括で費用計上することが可能になります。

・青色申告のデメリット

青色申告を適用した場合には、上述した内容のメリットが挙げられます。
しかし、青色申告を適用するためには下記のようなデメリットもあります。

①青色申告承認申請書の提出が必要になる。
②正規の簿記の原則に基づき会計処理をする必要がある。

これらのデメリットは事務負担が増大することになります。
青色申告承認申請書の提出期限は、個人事業主の場合には3月15日まで、法人の場合には設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合の提出期限は、設立の日以後3ヶ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までです。
また、正規の簿記の原則に基づいた会計処理とは、日々の記帳を複式簿記により記帳する必要があります。

◆青色申告が取消しになるパターン

青色申告の適用を受ける為には、正しい会計処理を行い、期限内に申告及び納税をしている事が適用要件となっているので、これらの要件を満たしていない場合には青色申告が取り消される事になります。
ここでは青色申告が取り消される具体的なパターンについて下記内容が挙げられます。
①日々の取引について、正しく会計処理を行なっておらず、帳簿などの資料を法令に基づいた記録や保存をしていない場合。
② 税務調査で帳簿や書類の提示を求められたのに、提示を拒否した場合。
③帳簿書類に仮装・隠蔽がある場合。
④ 2事業年度連続で期限内に申告書の提出がない場合。
以上の項目に該当した場合には、青色申告が取り消される事になります。

◆結論

上述したように、青色申告は白色申告に比べて会計処理や帳簿書類の保管方法などについて、法令で細かく規定されておりますが、青色申告による税制優遇措置はこれらの手間を考慮した場合でも適用する価値があります。
具体的な方法としては最寄りの税務署や税理士へ相談すれば青色申告について説明してくれます。
これから事業を考えている人が青色申告について参考になれば幸いです。

116 失業保険の受給の仕方

近年、新型コロナウイルスによる業績不振でリストラされる方や、働き方を変えるために退職して新しい仕事に就く方など、働き方が変わる人は増加していると考えられます。
次の勤務先が見つかるまで収入源が途絶えてしまうと、生活に不安を持ち、転職活動に専念する事が出来ない場合もあるかと思います。
そのような場合に、失業保険というものがあるので今回はこの失業保険について解説していきます。

◆失業保険とは

勤務先を退職した場合、今後の生活を送るにあたり収入が途絶えてしまうため、生活していく事に不安を感じてしまいます。
次の勤務先が決まっていれば問題ないですが、家庭環境や病気などといった理由ですぐに就職することが出来ない人もいます。
そういった事情に備えるために、失業保険というものがあります。
失業保険とは、次の勤務先を見つけるために失業者が安心して就職活動を行うために国から経済的支援を受けることが出来る金銭のことを言い、働く意思はあるが仕事に就いていない状態、つまり「失業」と認定されると受給することが出来ます。
失業保険は、「失業手当」や「雇用保険」とも呼ばれております。

◆失業手当の受給要件

失業手当の受給要件は、雇用保険に加入している人が前提となっております。
失業手当を受給するための要件についてはそのほかに下記理由により退職した場合に受給する事ができます。

・自己都合による退職をした場合
自己都合により退職をした場合には、「正当な理由がある場合」と「正当な理由がない場合」によって、失業手当を受給出来る要件が異なります。
正当な理由がある自己都合退職とは、心身の障害が発生した事、妊娠や出産などをした事、家庭の事情が急変した事などさまざまな事象が挙げられますが、上記理由により退職する場合が、正当な理由がある自己都合退職に該当します。
正当な理由がある自己都合退職の場合、失業手当を受給するためには下記内容に該当する必要があります。

①ハローワークへ通所し、就職する意思・能力があり求職活動をしているにもかかわらず、次の職場に就くことができない失業の状態である事。
②離職日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が6ヵ月以上である事。

上記に該当していた場合に失業手当を受給する事が出来ます。

次に「正当な理由がない場合」の自己都合退職とは、
他の仕事をしたい、条件の良い職場で働きたいなど、自分の意思によって退職した場合には、正当な理由がない自己都合退職に該当します。
この場合に失業手当を受給するためには、下記内容に該当する必要があります。
①ハローワークへ通所し、就職する意思・能力があり求職活動をしているにもかかわらず、次の職場に就くことができない失業の状態にある事。
②離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヵ月以上ある事。

以上の要件を満たしていた場合に失業手当を受給する事が出来ます。

・会社都合による退職をした場合
会社都合による退職とは、自分の意思で退職したのではなく、退職する原因が会社側にある場合を言います。
例えば、会社の業績悪化、事業所の廃止などにより退職することが挙げられます。
自分から退職した場合でも、労働条件が実際とは異なっていた、賃金の未払いが発生している、パワハラやセクハラなどを受けた、などといった理由であれば、会社都合によって退職した事とされます。

会社都合による退職をした場合、失業手当を受給するには、下記内容に該当にする必要があります。
① ハローワークへ通所し、就職する意思・能力があり求職活動をしているにもかかわらず、次の職場に就くことができない失業の状態にある事。
②離職日以前の1年間に、雇用保険の被保険者期間が6ヵ月以上ある事。

以上に該当していれば、失業手当を受給することが可能です。

◆失業保険の必要書類と申請方法

失業保険を受けるために必要となる書類は下記の通りです。
・離職票
・雇用保険被保険者証
・マイナンバーカード
・印鑑
・本人名義の預金通帳
・縦3.0×横2.5の写真
マイナンバーカードがない場合には、マイナンバーが確認出来る通知カードと運転免許証などが必要になります。

次に失業保険の申請方法について説明します。
上述した必要書類が準備できたら、まずは管轄のハローワークへ行き、離職票を提出します。
ハローワーク側で受給条件を満たしているかの審査を行い、条件を満たしていると判断された場合は、受給資格が決定します。
受給資格が決定した後「雇用保険受給者初回説明会」へ出席します。
出席すると、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が配布され、失業保険を受け取ることが出来ます。

◆結論

今回は失業保険の受給要件や必要書類、申請方法について解説しました。
会社を退職した場合、次の職場がなかなか決まらない場合には失業保険を受給出来る可能性がありますので、そういった方の参考になれば幸いです。
疑問があればハローワークに問い合わせる事をお勧めします。

115 更正の請求とは

所得税や法人税、相続税などを納める際には必ず税額を計算した税務申告書を決められた提出期限内に納付する必要があります。

提出期限内に税務申告書を提出しているが、その申告書に記載された税額が誤っているケースも考えられます。

実際の納税額より多い、もしくは少ない税額を納付している場合には差額分を税務署から返金してもらう、もしくは納付する必要があります。

今回は前者の差額分を返金してもらう、すなわち還付してもらう手続きである「更正の請求」について解説していきたいと思います。

◆更正の請求とは

更正の請求とは、既に申告期限内に提出した税務申告書に記載してある税額が多く計上されている場合、または申告書に記載されている還付税額よりも少ない還付税額が記載されている場合に、所轄税務署へ税金の減額または還付を求める手続きになります。

例えば以下のような場合に更正の請求を行い、払い過ぎた税金を還付してもらう必要があります。

50万円の法人税を納付したが、実際には40万円の納税で収まっていたケース。

20万円の所得税が還付される申告書を提出したが、経費の計上漏れがあったため、正しくは30万円の還付になったケース。

上記のような場合に該当していれば、所轄税務署へ更正の請求書を提出する必要があります。

◆更正の請求が認められる期間について

更正の請求はもともと法定申告期限から1年以内に提出する必要がありました。

しかし、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税については、法定申告期限から原則として5年に延長が決定されました。

年間を通じていつでも更正の請求を行うことが出来るため、上述したように税金を多く払いすぎた場合や還付税額が本来の金額より少なかったことに気付いた場合には、忘れる前にすぐに更正の請求を行うことをおすすめ致します。

また、上記期限内に更正の請求を実施した場合、内容によっては税務調査で更正の請求をした理由について問われるケースもあります。

◆更正の請求に必要な添付書類

更正の請求を実際に行うにあたって、いくつか必要書類があります。
具体的には下記の通りです。

・確定申告書の控え
更正の請求を行うにあたり、対象となる年度の確定申告書を税務署へ提出する必要はありませんが、更正の請求書を作成するにあたって必要となるため、準備しておく必要があります。

・更正の請求書
更正の請求書は税務署へ提出する必要があります。
こちらについては、更正の請求を行う税金の種類ごとに様式が異なっているため、対象の税金にあった更正の請求書を作成する必要があります。

・更正の請求をすることになった証票書類
更正の請求を行う理由は経費の計上漏れ、寄付金の控除漏れなど、税金の種類などによっても様々な理由が考えられます。
どういった理由で更正の請求を行うことになったのか、その事を証明できる書類を添付する必要があります。

・本人である事を確認出来る書類
更正の請求を行う本人が確認出来る書類を添付する必要があります。
具体例には、マイナンバーカードや運転免許証のコピーを添付する必要があります。

◆更正の請求を行う具体例について

更正の請求を行う事になった具体例を下記で紹介致します。
・売上の2重計上により納付税額を多く納めてしまったケース
・実際に支払っていた経費の計上漏れが発覚したケース
・医療費控除や寄附金控除を受けることが出来たのに適用するのを失念していたケース
消費税の税区分が誤っていた為に納付税額を多く納めてしまっていたケース

以上のような場合に更正の請求を行う必要があります。

◆更正の請求、修正申告、訂正申告の違いについて

更生の請求とは上述したように、納税義務者が既に申告期限内に税務申告書を提出したところ、実際に支払うべき納税額より多く納め過ぎてしまった場合、
または実際に還付された税額よりも少ない税額が還付された場合に、所轄税務署へ更正の請求書を法定申告期限から5年以内に税務署へ提出すれば税金が戻ってくるというものです。

修正申告とは、更正の請求とは逆の考え方であり、更正の請求が実際の納税額よりも多く支払ったために税金を減額する手続きに対して、
修正申告は実際の納税額よりも少ない税額を支払ったため、追加で納税額を支払うというものになります。
修正申告の納付期限は、修正申告書を提出する日までに納める必要があります。
なお、法定納期限(令和3年分の所得税及び復興特別所得税並びに贈与税は令和4年3月15日、消費税は令和4年3月31日)の
翌日から納付する日までの期間については、別途延滞税がかかることに注意が必要です。

訂正申告とは、更正の請求や修正申告が既に納期限を過ぎているのとは異なり、納期限内に修正したものを提出し直すというものになります。
訂正申告であることを分かりやすくするために、表題の余白に赤字で「訂正申告」と記載し、
さらに訂正前の確定申告書の提出年月日と申告税額を赤で書いておくとよいです。

◆結論

今回は更正の請求について解説しました。
税務署は多く支払っていた場合に、納税義務者に連絡してくる事はありません。
そのため申告した後に税金を多く納め過ぎていないか確認する事も重要になります。
更正の請求は納期限から5年以内までなら認められますが、多く納めていた事に気付いた際にはすぐに手続きする事をおすすめします。

114 源泉徴収票をもらえない場合の対処法

会社員であるサラリーマンが勤務先から受け取る給料や、フリーランスなどの個人事業主が取引先から受け取る報酬がある場合には、年末調整や確定申告を行う必要があります。
年末調整や確定申告を行う事により、1年間のうちに稼いだ収入に対する正しい税金を計算して納税する事になります。
その為には給料や報酬の支払い先から源泉徴収票を受け取り、その源泉徴収票を基に年末調整や確定申告を行います。
年末調整や確定申告をする為には源泉徴収票が必須となりますが、この源泉徴収票をもらえない場合について解説していきたいと思います。

◆源泉徴収票とは

源泉徴収票とは、勤務先である会社や外注先である取引先より1年間に支払われた給料や報酬、1年間に支払った、すなわち源泉徴収された源泉所得税が記載されたものになります。
源泉徴収票は法定調書の一つであり、給与・退職手当・公的年金等の支払をする者が、その支払額及び源泉徴収した所得税額を証明する書面で全3種類があります。
1月31日までに税務署へ提出し、支払を受けた者にも交付しなくてはならないものになります。
源泉徴収票を支払を受けた者へ交付するタイミングは、一般的に12月に行われる年末調整の後に発行されるため、12月分の給与明細とともに受け取ることになります。
しかし、12月までに退職した場合には最後の給与が確定した後、1カ月ほどで発行されることになります。

◆源泉徴収票が必要になるケース

源泉徴収票が必要になるのは上述したように確定申告を行う必要がある場合です。
下記のような場合に該当する人もこれまで勤務していた会社から源泉徴収票を受け取る必要があります。

・退職した場合

年の途中に退職した場合には、勤務先から源泉徴収票を受け取る必要があります。
原則として、会社側は退職した1ヶ月以内に退職者へ源泉徴収票を交付する義務があります。
しかし、会社によっては年末に現在勤務している従業員と同じタイミングで源泉徴収票を交付する会社もあるので、早めに源泉徴収票が必要な場合には勤務していた会社へ連絡する必要があります。

・再就職した場合

再就職した場合には、新しい勤務先で年末調整する事になります。
しかし、年の途中で退職し、前勤務先で給料をもらっていた場合には前勤務先の源泉徴収票がないと年末調整する事が出来ません。
よって再就職した場合にも源泉徴収票は必ず貰うようにしましょう。

◆源泉徴収票を発行してもらえない場合

これまでに解説してきたように源泉徴収票は1年間に稼いだ収入に対する源泉所得税を計算するためには源泉徴収票が必要になります。
しかし、必ずしも退職した場合に源泉徴収票を発行してもらえるとは限りません。
まず、源泉徴収票が発行されない場合には、税務署へ「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する必要があります。
ここではいくつか事例を挙げながら源泉徴収票が発行されない場合や紛失してしまった場合の対応策について解説していきたいと思います。

・退職後、源泉徴収票を受け取らずに会社が倒産した場合
源泉徴収票は支払先である会社しか発行することが出来ません。
退職した後、源泉徴収票を受け取らずに支払先の会社が倒産した場合には、税務署へ相談し、源泉徴収票不交付の届出書を税務署へ提出することになります。

・これまで勤務していた会社を退職した際に、従前の勤務先が源泉徴収票を発行してくれない場合
通常であれば退職した後、1ヶ月ほどで源泉徴収票を受け取ることが可能ですが、年末になっても源泉徴収票を発行してくれない場合や、源泉徴収票の発行依頼をしているのに発行してくれない場合には、税務署へ源泉徴収票不交付の届出書を提出します。
この届出書を提出する事によって、税務署が従前の勤務先へ税務指導をしてくれるので、通常はこの段階で源泉徴収票を発行してくれることになります。

・源泉徴収票を紛失してしまった場合
従前の勤務先から源泉徴収票を受け取っていたが、紛失してしまった場合の対応について解説します。
源泉徴収票を発行出来るのは、給料の支払者でないと発行することが出来ません。
紛失してしまった場合には、支払者へ再発行を依頼する必要があります。
再発行を依頼したが、源泉徴収票が手に入らない場合には、所轄の税務署に相談して必ず源泉徴収票を受け取る必要があるので、紛失しないように大切に保管すべきです。

◆結論

源泉徴収票は上述したように、1年間で稼いだ収入に対して課税される源泉所得税を正しく計算するために、必ず必要になります。
源泉所得税がないと確定申告をすることが出来ません。
そのため、源泉徴収票がない場合には確定申告をすることが出来ないので、支払者が何らかの事情により源泉徴収票を発行する事が出来ない場合または紛失してしまった場合には、税務署へ相談し、源泉徴収票不交付の届出書を提出する必要があります。
このような場合でお困りの方は本稿が参考になれば幸いです。

113 確定申告が必要な人とは

日本国民の三大義務として「勤労の義務」、「教育の義務」、「納税の義務」が定められております。
「納税の義務」は日本国憲法第30条で『国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。』と規定されています。
個人事業主の場合には、1月1日から12月31日までの1年間における利益に対して課税される所得税を翌年3月15日までに納付する必要があります。
法人の場合には、設立時において決めた決算月までの1年間における利益に対して課税される法人税を2カ月以内に納付する必要があります。
サラリーマンの場合には、上記に該当せず、一般的には勤務先である会社が年末調整により給料に対する所得税をサラリーマンの代わりに計算・納税してくれる為、確定申告をしている人は少ないのが現状です。
しかし、サラリーマンでも確定申告が必要になるケースもいくつか挙げられます。
今回はサラリーマンであっても確定申告する必要がある場合について解説していきたいと思います。

◆サラリーマンで確定申告する必要がある人

サラリーマンの場合に、確定申告が必要となるケースの人は下記内容が挙げられます。
・給与の年間収入金額が2,000万円を超えている人

・1か所の勤務先から給与の支払いを受けている人で、給与所得や退職所得以外のその他の所得金額の合計額が20万円を超える人

・2か所以上の勤務先から給与の支払いを受けている人で、年末調整されなかった勤務先の給与の収入が20万円を超える人

・雑損控除、医療費控除、寄附金控除、1年目の住宅ローン控除などといった各種控除の適用を受けようとしている人

・同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や不動産賃貸料などの所得を受け取っている人

・災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人

・源泉徴収されていない給与等の支払を受けている人

・退職金を受領した人で税額を計算した場合、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

サラリーマンの場合には、基本的には勤務先である会社が年末調整により所得税を納付してくれているので確定申告不要ですが、上述した内容に該当するサラリーマンであれば確定申告をする必要があります。

◆副業による確定申告が必要な場合

サラリーマンは最近では副業を行っている人が増加してきているため、確定申告が必要になるケースも増えてきております。
ここでは副業を行っているサラリーマンで確定申告が必要な場合について解説します。
副業により確定申告する必要があるかどうかのポイントに「20万円ルール」というものがあります。
これは確定申告する必要がある場合で、上述したように、給与所得や退職所得以外のその他の所得金額の合計額が20万円を超える人に該当する場合には確定申告が必要になるということです。
サラリーマンが副業としてアルバイトやパートをしている場合、アルバイトやパートで稼いだ収入が1年間で20万円を超えていなければ確定申告をする必要はありません。
ただし、副業の内容がアルバイトやパートではなく、クラウドソーシングなどによるブログの執筆、セミナーの講師などの場合には、これらの所得が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。
ポイントは、所得が20万円以下であるかどうかといった点になります。
アルバイトやパートなどは経費がかからない為に稼いだ金額がそのまま所得として考えられます。
収入から経費を差し引いたものが所得となる為、クラウドソーシングによる仕事は一般的に作業するためのPCなど機械の購入、執筆のための書籍の購入、打ち合わせなどの交際費や移動するための交通費などもかかります。
これらの経費を収入から差し引いた金額が20万円以下であれば、所得は20万円以下ということになりますので確定申告は不要となります。

例として、クラウドソーシングによる収入が300万円であり、経費が290万円かかっていたと仮定します。
この場合の所得は、売上300万円から経費290万円を差し引いた所得10万円となるので、確定申告する必要はありません。
注意が必要なのは上記20万円ルールとは、20万円以下であれば所得税計算には影響がないという事であり、確定申告をする場合に副業についての申告はしないということではありません。
サラリーマンがふるさと納税や医療費控除の適用を受けるために確定申告をする場合には、副業の所得が20万円以下であっても確定申告書にはその旨を記載する必要はあるので注意が必要です。

◆確定申告の必要書類

サラリーマンが確定申告をする場合には、所得や所得控除の内容によって必要になる書類はさまざまなので、以下では一般的にサラリーマンが確定申告する場合の多いケースについて解説します。

・確定申告書A様式
所得税の確定申告書には、A様式とB様式の2種類があり、サラリーマンの場合は確定申告書A様式を使います。
こちらは税務署からもらうことが出来ます。

・本人確認書類
本人確認書類には、マイナンバーカード、運転免許証、健康保険の被保険者証、パスポートなどが挙げられます。

・源泉徴収票
税務署へ提出する必要はありませんが、確定申告書を作成するにあたって必要となる為、勤務先から貰うようにする必要があります。

・住宅ローン控除を受ける場合(1年目のみ確定申告、2年目以降は年末調整)
住宅借入金等特別控除額の計算明細書、住民票の写し、金融機関から受け取る年末残高のわかる借入金残高証明書、不動産の全部事項証明書、売買契約書のコピーなどが挙げられます。なお、住宅ローン控除を受けることが2年目以降の場合には、年末調整の対象となります。

・ふるさと納税による寄附金控除を受ける場合
寄付した自治体から届いた寄付金控除証明書

◆結論

サラリーマンが確定申告する必要がある場合について解説してきました。
サラリーマンは年末調整により確定申告する必要はありませんが、ふるさと納税や医療費控除などを受ける場合には確定申告が必要になります。
確定申告は国税庁のホームページを見れば確定申告の方法が書いてありますので、そこから申告書を作成するのが一般的です。
金額が大きかったり、どのようにすればよいかわからない場合には、税務署もしくは税理士へ問い合わせれば丁寧に教えてくれますので、期限内に確定申告をするようにしましょう。

 

112 開業するときの必要書類

近年、これまで勤務していた会社を辞めてフリーランスなどの個人事業主として活動していく人が増えております。
会社で勤務していると、勤務時間を拘束されてしまうなど自由に働く事が出来ないため、個人事業主として自由な時間に働きたい人が増えているため、個人事業主の数は年々増加しております。
個人事業主として活動するにあたって、開業するために必要な書類や開業資金などさまざまなものが必要になります。
今回はこれから個人事業主として活動するために必要な書類や開業するまでに準備すべき内容について解説していきたいと思います。

◆開業するときに必要な書類

会社に勤務している場合には税務署へ提出すべきものは全て会社側で対応していたが、個人事業主として独立した場合には全て自分でやらなくてはなりません。
開業するにあたり、税務署へ提出すべき書類がいくつかありますので以下では提出が必要な書類について紹介していきます。

・個人事業の開業・廃業届出書

こちらは開業した事の事実を税務署へお知らせする書類になります。
具体的には、新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したときまたは事業を廃止したときに提出が必要になります。
提出期限は、提出期限に間に合わなくても特に罰則はありませんが、原則として開業した日から1ヶ月以内になっております。

・青色申告承認申請書

この青色申告承認申請書は、青色申告の承認を受けようとする場合に提出が必要になります。
青色申告により税務申告書を提出することにより、青色申告特別控除が適用できたり、純損失の繰越しや繰り戻しが適用できたり、さまざまなメリットを受けることができます。
この申請書の提出期限は、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに提出する必要があります。
ただし、その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日から2月以内に提出する必要があります。

・給与支払事務所等の開設届出書

給与支払事務所等の開設届出書とは、従業員を雇用して給料を支払う場合に必要な届出書で、従業員を雇用してから1月以内に所轄税務署に提出する必要があります。

・源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書

従業員を雇用して給料を支払う場合、給料に対する源泉所得税を納付する必要があります。
この源泉所得税の納付時期は、原則として給料を支払った月の翌月10日になります。
しかし、源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書を事業を開始した日から1月以内に所轄税務署へ提出する事によって、源泉所得税の納付時期が7月10日と1月20日に源泉所得税を納付すれば良い事になります。
なお、この申請書がみと認められるのは給与の支給人員が常時10人未満であるといった要件もあるので注意が必要です。

◆開業するときに用意するもの

開業時に必要な届出関係は上述した通りとなりますが、その他に用意しておくべき内容としては下記の通りです。
・国民健康保険へ加入
・国民年金へ加入
・営業許可を得ておく
・事業用のクレジットカードを作成する
・事業用のホームページを作成する
・名刺を作成する

上記のうち、国民健康保険への加入は会社員から個人事業主へなった場合、退職日の翌日にこれまで加入していた健康保険の資格が喪失されます。
そのため国民健康保険への加入は、退職日の翌日から2週間以内に管轄の市役所へ加入手続きを行う必要があります。

また、国民年金への加入は、会社員の場合、厚生年金に加入していますが、個人事業主になると自分で国民年金に加入するのが原則になります。
脱退手続きについては会社でやってくれるので、管轄の市役所で国民年金の加入手続きも必要となります。

◆開業届の記載内容と提出方法

会社員がフリーランスなどの個人事業主として活動するにあたり、開業届を提出する必要があるのは上述した通りです。
ここでは開業届の記載内容や提出方法について解説します。
開業届の記載内容は下記項目が挙げられます。
・提出日と提出先である管轄税務署
・納税地・住所
・氏名・生年月日・個人番号
・職業・屋号
・届出の区分・所得の種類
・事務所等を新設した日
・開業に伴う届出書の提出の有無
・事業の概要
・給与等の支払の状況

提出方法としては、管轄税務署の窓口で直接提出する方法の他に、郵送やe-Taxによる提出をすることが可能になります。

◆結論

以上が会社員が個人事業主として開業した場合に用意すべき内容と必要書類になります。
近年は自由な働き方を求める人が増えてきており、それに伴い、開業している人も増えてきております。
これまで会社勤めだった人の場合、税金や社会保険関係は全て会社側で対応してもらえてましたが、個人事業主となる場合には全て自分で対応していく必要があります。
これから個人事業主として活動しようと考えている人にとって、本稿が参考になれば幸いです。

111 iDecoとは

日本では、老後2,000万円問題などが政府から公言され、老後の資産形成としてiDeCoや積立ニーサなどを始める人が増えてきております。
本稿ではこの資産形成に役立つものであるiDeCoについて解説していきたいと思います。

◆iDeCoとは

iDeCoとは、公的年金とは別枠で老後の給付を受けることができる私的年金制度の一つとなります。
加入義務については公的年金とは異なり、任意となっております。
加入の申込みや掛金の拠出などを全て自分で行い、掛金とその運用益の合計額から、老後に年金給付を受け取ることができる制度になります。
iDeCoは加入が義務付けられている国民年金や厚生年金などと組み合わせることで、老後生活をより豊かに送ることが出来る制度となります。

◆iDeCoのメリット

iDeCoのメリットとしては、以下の3つのプロセスで税制上の優遇措置が設けられております。
・積立時
・運用時
・受取時

まず、積立時における税制上の優遇措置として、掛金に対して所得控除が適用できる点です。
iDeCoで積み立てる掛金は、全額が所得控除の対象となります。
節税額については、掛金やその人の所得税率によって変わりますが、積立期間中は毎年所得控除が適用されるため、節税効果は大きくなります。

また、iDeCoは運用時においても節税効果があります。
一般的に預金利息や配当金を受領した場合には、20.315%の税率が課税されます。
しかし、iDeCoの場合には運用時に得られた運用益は税金が一切かかりません。
本来であれば税金として差し引かれた金額がそのまま再投資されるので、非常に有利なものになっております。

さらに、iDeCoでは受取時にも税制上の優遇措置があります。
iDeCoで積み立てた資産は60〜75歳の間に、分割で受け取るか、一括で受け取るか自分で好きな受け取り方を選択することが可能です。

分割で受け取る場合は公的年金等控除が適用されることになります。
一括で受け取る場合には退職所得控除が適用されることになります。
iDeCoを適用した場合には、受取時にいずれか好きな受け取り方を選択できるため、公的年金等控除もしくは退職所得控除により税負担を軽減することが可能になります。

◆iDeCoのデメリット

iDeCoは上述したメリットの反面、デメリットも挙げられます。
デメリットとしては下記内容になります。
・原則60歳まで引き出すことができない
・元本割れのリスクがある
・手数料が発生する
・掛金に上限がある

iDeCoは掛金の引き出しについて、加入者が病気や怪我により障害を負った場合や死亡した場合を除き、原則として60歳になるまで掛金を引き出すことができません。そのため、結婚や住宅購入など大きな支出に備えることが出来るように考慮する必要があります。

また、iDeCoはあくまでも投資であるため、購入代金よりも下回るといった、元本割れのリスクがあることも把握しておく必要があります。

iDeCoは資産運用時には手数料が発生します。
手数料は、加入・移換時にかかる手数料や口座管理手数料が発生します。
口座管理手数料は毎月支払う必要がありますので、その点についても理解しておく必要があります。

iDeCoの毎月の掛金には制限があります。
会社に企業年金がない会社員であれば上限金額は23,000円と設定されているため、好きなだけ投資することは出来ません。

◆iDeCo開始手続きの流れ

ここでは実際にiDeCoを開始するにあたり、開始手続きの流れを以下で解説します。

①申込書類を取り寄せる
iDeCoの運営管理機関の窓口やウェブサイトから、加入申出書などといった手続きに関する資料を取り寄せます。
注意点としては、勤務先が企業型確定拠出年金を導入している場合には、iDeCo へ加入できない可能性があるため、会社員である場合には資料を取り寄せる前に勤務先の経理担当者などへ企業型確定拠出年金に導入しているかどうか確認しておく必要があります。

②iDeCo運営管理機関を決める
iDeCoへ加入する際に、どこの運営管理機関で加入するか決定します。
運営管理機関は多くあるため、運用商品の種類や手数料の金額などから、口座開設する運営管理機関を決定します。

③運用商品を決定
iDeCoにより購入する運用商品を決定します。

④加入申出書を運営管理機関へ提出する
iDeCoへ加入するために、加入申出書を提出します。
会社員や公務員の方は「事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書」の記入を勤務先へも記載して頂く必要があります。

⑤国民年金基金連合会の審査
運営管理機関はiDeCoを統括する国民年金基金連合会へ加入するために必要な書類を提出します。
書類審査に合格すると、申し出者宛てに記録関連運営管理機関から「口座開設のお知らせ」が、また国民年金基金連合会から「加入資格確認結果通知」が届きます。

⑥初回掛け金の引き落とし
iDeCoの掛け金引き落とし日は、毎月26日となっています。
初回の引き落としは、申込書類が運営管理機関に到着する日によって異なりますが、申し込み月の翌月26日に1ヵ月分、もしくは翌々月の26日に2ヵ月分の掛け金が引き落とされる事になります。

以上がiDeCoを開始するための一連の流れになっています。

◆結論

以上がiDeCoについての内容になります。
iDeCoを始めるにあたり、メリット・デメリットがあるため、これらについて十分に理解した上で始める事をおすすめします。

110 制度利用の判定基準となる、住民税の非課税世帯とは?

給付金の支給や国民保険料の軽減等、様々な社会制度の利用可否の基準となることが多いのが、住民税の非課税世帯への該当の有無です。
それでは、住民税の非課税世帯とは、どのような世帯のことをさすのでしょうか。今回は非課税世帯となる要件や収入の目安についてご紹介致します。

1住民税の非課税世帯に該当するための要件

住民税の非課税世帯とは、世帯の全員が、住民税の所得割及び均等割の両方が非課税となる世帯のことをいいます。

所得割及び均等割の両方が非課税となる人とは、自治体によって要件が異なる場合がありますが、東京都では、下記のいずれかに該当をする人をいいます。
・生活保護法によって生活扶助を受けている人
・障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下の人
・単身で前年中の合計所得金額が45万円以下の人
・同一生計者や扶養親族がいる人で前年中の合計所得金額が35万円×(同一生計配偶者等の数+1)+31万円以下の人

2合計所得金額と収入

合計所得金額とは、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、雑所得等の総合所得を合計した金額をいいます。収入の合計額とは異なります。

例えば、アルバイトのみで生計を維持している人の合計所得金額は、いわゆる額面金額である収入から、給与所得控除を差し引いたものである給与所得の額のことをいいます。

東京都において非課税世帯に該当するかの判定に必要な給与収入の目安は、下記のとおりです。
・障害者等に該当する場合…年間2,043,999円以下の給与収入
・単身者に該当する場合…年間100万円以下の給与収入
・扶養親族が1人いる場合…年間156万円以下の給与収入

3住民税の非課税世帯の割合

日本の住民税の非課税世帯の割合は、厚生労働省の行う国民生活基礎調査の結果から知ることが出来ます。
令和3年の国民生活基礎調査によると、日本全体の5,142万世帯のうち、住民税課税世帯が3,924万世帯であると公表がされています。つまり差引をした1,218万世帯が住民税の非課税世帯であり、世帯全体のうち、約23.6%の世帯が非課税世帯であることがわかります。

4まとめ

住民税の非課税世帯とは、単身者であれば年間100万円以下の給与、月8万円程度の給与を得ている人のことをいいます。
月8万円では生活が苦しいのでは無いかと懸念されますが、住民税の非課税世帯は、世帯全体の2割以上あります。言い換えれば、世帯全体の8割程度課税世帯が納付する住民税が、2割程度の非課税世帯の社会制度利用に投入されています。
住民税の非課税世帯について知ることで、ニュースの見え方も変わってくるのではないでしょうか。ご参考になさってください。

109 所得税や住民税の節税に役立つ医療費控除とは

所得税や住民税の納税額を減額する所得控除のひとつに、医療費控除があります。多くの人が利用することが出来る控除であることから、広く知れ渡っている所得控除ですが、いまいちど確認をしてみましょう。

1医療費控除とは

医療費控除とは、所得税や住民税の納税者自身、又は納税者自身と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合で、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費の額が一定の額を超えるときに適用することが出来る所得控除です。

生計を一にする親族とは、日常の生活資源を共にしている親族であり、同居する配偶者のみならず、生活費を送金している遠方で独り暮らしをする子ども等も含まれます。

2医療費控除に含めることの出来る医療費

医療費控除に含めることの出来る医療費は、治療や治癒に直接必要と認められる支出のことをいいます。
例えば、医師等に対する謝礼金、審美目的の整形手術費用、自家用車で通院する場合のガソリン代等は、医療費控除に含めることの出来る医療費から除外されます。

3医療費控除の対象となる金額

医療費控除の対象となる金額は200万円を上限とし、総所得金額に応じて下記の算式で計算をした金額です。
①総所得金額が200万円以上の場合
(実際に支払った医療費の合計額△保険金等で補填される金額)△10万円
②総所得金額が200万円未満の場合
(実際に支払った医療費の合計額△保険金等で補填される金額)△総所得金額の5%の金額

4医療費控除を適用する方法

医療費控除を適用するためには、所得税や住民税の納税者自身が確定申告を行う必要があります。
納税者が給与所得者の場合、基礎控除や社会保険料控除等の多くの所得控除は、年末調整を受けることで適用することが出来ますが、医療費控除は適用外であるため、給与所得者であっても、確定申告が必要となることに留意が必要です。
確定申告は、e-taxを利用した電子申告又は税務署への書面による申告のいずれかの方法で、原則として申告対象年の翌年3月15日までに行うものですが、確定申告をする事由が医療費控除による所得税の還付申告のみである場合には、申告対象年から5年間、還付申告を行うことが出来ます。

5まとめ

医療費控除に適用することの出来る医療費は、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費の額です。医療機関を受診した場合には、医療費控除の適用の可否の判定のため、少なくとも領収書等をその年の終わりまで保管することをおすすめ致します。
所得税や住民税の納め過ぎを防ぐ意識は、常にもっておきたいものです。

 

108 会社の事務手続きの削減に効果大!住民税の特別徴収額の納期の特例とは

従業員を雇用する会社は、その従業員の給与所得に係る住民税について、原則として特別徴収の方法によって徴収をしなくてはなりません。
徴収をした住民税は徴収した翌月に納める必要があるため、毎月事務手続きが必要となりますが、納期の特例を適用することで、事務手続きを半年に1回にすることが出来ます。
今回は、事務手続きの削減に効果のある、住民税の特別徴収額の納期の特例についてご紹介致します。

1住民税の特別徴収額の納期の特例を適用することの出来る会社

住民税の特別徴収額の納期の特例は、事務手続きの削減に効果がありますが、全ての会社に適用することが出来るものではありません。
適用することの出来る会社とは、給与等の支払いを受ける者が常時10人未満の事業主です。この常時10人未満とは、年間を通して通常勤務する者のことをいい、繁忙期等に一時的に雇い入れる者は、その数に含まれません。
給与等の支払いを受ける者が常時10人未満の事業主が、各市区町村に納期の特例についての承認申請書を提出し承認を受けることで、適用することが出来ます。

2納期の特例を適用した場合の納期限

納期の特例を利用することで、その年の6月から11月までに特別徴収を行った住民税の納付期限は12月10日、12月から翌年5月までに特別徴収を行った住民税の納付期限は、6月10日となります。

納期の特例を適用しない場合は、徴収した翌月10日までと、毎月納付期限が到来するため、納期の特例を適用した場合の方が、事務手続きを削減することが出来ます。

3納期の特例を適用した場合の注意点

事務手続きを削減することが出来る、ということは、住民税の納付手続きに携わる従業員の人件費の削減に繋がります。
一方で、原則の毎月納付と納期の特例を利用した場合とで、納税額の総額が変わることはないため、納期の特例を利用した場合には、12月10日及び6月10日には、毎月納付と比較をすると、それぞれ約6倍の資金流出が一時的に行われます。
毎月納付と比較をすると、その頻度が低いため手続きや資金繰りを失念しやすいこと、納付時の一時な資金流出が大きくなることには注意をする必要があります。

また、給与等の支払いを受ける者が常時10人以上となった場合には、納期の特例を適用することが出来なくなるため、その旨を遅滞なく届け出る必要があります。

まとめ

住民税の特別徴収額の納期の特例は、毎月必要である住民税の納付期限を、半年に1回にすることが出来、事務手続きの削減に効果があります。
従業員が10人未満の会社は、適用のご検討をされることをおすすめ致します。

107 所得税や住民税の減税効果のある基礎控除とは?

所得税や住民税は、個人の課税所得に応じて納付すべき税額が算出されますが、税の負担の公平性の観点から、個人の事情を加味して課税所得から減算させることの出来る所得控除があります。所得控除のうち、最も多くの人が利用することの出来る控除が、基礎控除です。
今回は、基礎控除についてご紹介致します。

1基礎控除とは

基礎控除は、納税者本人の合計所得金額が2,500万円以下である場合に、所得税の課税所得及び住民税の課税所得から減算することが出来るものです。

所得税の課税されない収入の限度額のことを「年収103万円の壁」と呼ぶことがあります。なぜ103万円であるのかというと、年収103万円は給与所得48万円に相当し、基礎控除の金額48万円を差し引くと、課税所得が0円となるためです。

2基礎控除の額

基礎控除の金額は、所得税と住民税とでは異なります。
① 所得税における基礎控除
所得税の基礎控除の金額は、合計所得金額によって、下記のように定められています。
・納税者本人の合計所得金額が2,400万円以下…48万円
・納税者本人の合計所得金額が2,400万円超2,450万円以下…32万円
・納税者本人の合計所得金額が2,450万円超2,500万円以下…16万円
・納税者本人の合計所得金額が2,500万円超…0円
② 住民税における基礎控除
住民税の基礎控除の金額は、合計所得金額によって、下記のように定められています。
・納税者本人の合計所得金額が2,400万円以下…43万円
・納税者本人の合計所得金額が2,400万円超2,450万円以下…29万円
・納税者本人の合計所得金額が2,450万円超2,500万円以下…15万円
・納税者本人の合計所得金額が2,500万円超…0円

3住民税の基礎控除の金額が低い理由

所得税の基礎控除の金額と住民税の基礎控除の金額では差があり、住民税の方が低く定められています。基礎控除のみならず、生命保険料控除や地震保険料控除等、住民税の方が金額を低く定められている所得控除が複数あります。
これは、所得税は国に納める税金であることに対し、住民税は居住する自治体に納める税金であることに起因しています。住民税の税収はその居住する多くの住民のために利用されることから、基礎控除額等を所得税よりも少なくすることで、非課税となる人を少なくし、より多くの人が税負担の対象者となるように定められています。

4まとめ

基礎控除は合計所得金額が2,500万円以下の納税者全てに適用がされます。多くの人が適用することの出来る控除ですので、是非ご参考になさってください。